第13回 水木十五堂賞 受賞者の紹介

受賞者紹介
はしづめ せつや
橋爪 節也
1958年 大阪市に生まれる
専攻・日本東洋美術史
東京芸術大学大学院修了(日本東洋美術史)
東京芸術大学美術学部附属古美術研究施設(所在・奈良市登大路)助手
1990年より大阪市立近代美術館(仮称)建設準備室学芸員(現・大阪中之島美術館)
2008年より大阪大学総合学術博物館教授(後に館長)
大学院文学研究科兼任。適塾記念センター教授兼任
2023年 定年退職 大阪大学名誉教授
著 作
2007年『大大阪イメージ─増殖するマンモス/モダン都市の幻像─ 』(創元社)
2008年『映画「大大阪観光」の世界―昭和12年のモダン都市』(大阪大学総合学術博物館叢書4、大阪大学出版会)
2012年共著『戦後大阪のアヴァンギャルド芸術-焼け跡から万博前夜まで-』(大阪大学総合学術博物館叢書9、大阪大学出版会)
2019年共監修『木村蒹葭堂全集第二巻 本草・博物学』(藝華書院)『原寸復刻「浪花百景」集成』(創元社)
2020年『大正昭和レトロチラシ 商業デザインにみる大大阪』(青幻舎)
2021年共編『大阪大学総合学術博物館叢書18 EXPO'70大阪万博の記憶とアート』(大阪大学出版会)
2024年『翼のある大阪 近世近代美術史論集』(創元社)
選考理由
橋爪節也氏の業績は近世から近現代にかけての大阪に関係するヴィジュアルな作品に焦点を置いた多岐に渡る資料収集であるとともに、これらの収集された資料に関する著作及び論文を通して、大阪の歴史的都市―特に大大阪の時代の大阪―の姿を浮かびあがらすことであった。『映画 「大大阪観光」の世界 ―昭和12年のモダン都市―』では、大阪市電気局と産業部が制作した「大大阪」という観光映画からモダン都市大阪の解読を試み、映画の画面と氏の収集したヴィジュアルな資料類とが一体化して、大大阪が放った都市の雰囲気を醸し出している。また、近世への目配りも誠に確かで、「浪速の知の巨人」といわれ、本草学・文学・物産学に通じた木村蒹葭堂への関心も深く、特別展の企画や図録編集に参加するとともに、大和郡山市と縁のある柳沢藩柳沢淇園は文人画の先駆者と知られているが「柳澤淇園とその人物画」などの論考がある。
橋爪 節也 氏 受賞コメント
学生時代の研究テーマの柳沢淇園は大和郡山ゆかりであり、肥田晧三先生をはじめ過去の受賞者にも影響を受けており、今回の授賞に深い縁を感じます。
私のコレクションは“大大阪”と呼ばれた時代を中心に、絵画からチラシなど、大阪に関するヴィジュアル資料で構成されています。誰の目にもとまらなかった資料でも、改めて読み解くことで、新しい視点や価値を見いだすことができます。その可能性を大事にしていきたいと思います。
主な蒐集品
大阪に関するヴィジュアル資料を収集
美術品から書籍、地図、楽譜、広告チラシまで

「時計」

「滑稽漫画 大阪見物」

「乱菊物語」

「近代大阪」

「松竹座ニュース」
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更新日:2024年11月08日