西田中・内山瓦窯出土品

更新日:2023年04月21日

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西田中・内山瓦窯出土品(にしたなかうちやまがようしゅつどひん)

西田中・内山瓦窯出土品

西田中・内山瓦窯は、矢田丘陵の東縁辺部の低丘陵上に位置する瓦を生産した窯の跡です。当瓦窯で生産された瓦と同じ型で作られた製品は、藤原宮や平城宮・京で出土し、特に藤原宮の中枢部で多く出土します。以上の状況から、当瓦窯群は日本で初めて宮殿に瓦葺き建物を採用した藤原宮の造営に伴い開発された官窯であることがわかっています。

西田中・内山瓦窯の発掘調査で出土した多量の瓦のうち、軒丸瓦19点、軒平瓦13点、丸瓦60点、平瓦110点、熨斗瓦13点、面戸瓦8点が市の指定文化財です。

軒丸瓦は、複弁八葉蓮華文の1種類のみで、すべて同じ型を用いて製作されています。型についた傷の痕跡から、西田中瓦窯の方が内山瓦窯より長期にわたって操業していたことが判明しています。

軒平瓦は偏行唐草文の1種類のみで、軒丸瓦と同じく、すべて同じ型を用いて製作されています。

丸瓦と平瓦は、粘土板から成形した製品と粘土紐から成形した製品の2種類があり、一つの窯で異なる技法をもつ複数の工人グループによる製品をまとめて生産していたことがわかります。

これらの瓦は、藤原宮の造営という飛鳥時代の国家事業に伴って生産された瓦であり、生産地と消費地それぞれの製品が比較できる数少ない資料として価値が高いものです。また、製作年代が藤原宮の造営期間(7世紀末~8世紀初頭)に特定できることから、古代瓦の製作技法の変遷を知る上でも学術的に重要な位置を占めます。

 

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