木造釈迦如来坐像

更新日:2023年04月19日

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木造釈迦如来坐像(もくぞうしゃかにょらいざぞう)

宿院仏師源次の親子により製作された木造釈迦如来坐像の写真

 本像は像高83センチメートルで頭部内には墨書があり、宿院仏師源次とその子である源三郎、源次が室町時代後期の天文9年(1540年)に製作したことがわかります。

 また、台座心棒の墨書には、元々、東大寺仏生院から、かつて丹後庄町にあった松福寺に遷座されたことが記されています。

 本像の作風は、眼差しが強く、堂々とした量感表現を示すところに特色があります。正中線を軸にした左右相称性の強い安定感は、宿院仏師源次の生真面目で個性的な作風があらわれています。また、光背は二重円相光。台座は蓮華八重座で、後補の可能性もありますが、作風からみて江戸時代中期までの製作と思われます。

 宿院仏師源次の最初期の作品であり、大和における室町後期仏像彫刻の基準作ともいえる貴重な仏像です。

 見学を希望される場合は、所有者の承諾が必要ですので、まちづくり戦略課に連絡してください。

宿院仏師とは

 特定の寺院に所属せず、現在の奈良市宿院町(奈良女子大学の南)に工房を構えていた室町後期(16世紀)の仏師集団です。奈良盆地を中心に活動しており、工房の棟梁は「源四郎」から「源次」、「源三郎」と引き継がれます。この宿院仏師の出自は、海住山寺の仙算や東大寺の実清という2人の仏師僧の助手的役割を務めた木寄番匠(きよせばんじょう)にあったことがわかっています。源次や源三郎の製作した仏像には「仏師屋」の屋号が記されたものもあり、中世末期の奈良町に工房を構え、仏像の受注生産に応じていたと思われます。彼ら宿院工房の事績は中世の伝統的な専門仏師の系譜には連ならないもので、俗人仏師による造仏集団として注目されています。現在、宿院仏師の作例は80件余り知られており、そのうち4例が大和郡山市内にあります。

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