木造地蔵菩薩立像(釋尊寺)

更新日:2023年09月22日

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釋尊寺 木造地蔵菩薩立像(しゃくそんじ もくぞうじぞうぼさつりゅうぞう)

釋尊寺 木造地蔵菩薩立像

本像は、郡山城外東口に位置する高田町の釋尊寺(しゃくそんじ)本堂に伝来する仏像です。

 

高さ約121センチメートルの檜材一木造りの立像で、左手に宝珠を捧げ、右手に錫杖を執る通行の地蔵菩薩像です。これまでに江戸時代と平成時代の二度にわたり大きな修理が行われ、朽損箇所が補修されました。このうち平成の修理では指定文化財に準じた修理が実施され、製作当初の優れた表現が蘇っています。

 

本像には、的確な姿態の動きや厚みのある豊かな胸部、丸く膨らんだ小さな腹部、引き締まった肉取りの大腿部、紐上に刻まれた衣文表現など、平安時代の一木彫像として優れた造形感覚が窺われます。頭部は補修箇所が甚大ですが、中央に配置された小さな目や唇の浅い彫り口、張りのある丸い頬の肉取りが当初の造形を示しており、穏やかで優しい表情が特徴的です。

 

製作は平安時代中期頃(10世紀後半から末)と推定され、法衣の襟を高く造る表現は古様で、平安時代初期の特徴を継承するところとして注意されます。

 

大和郡山市内における平安時代の一木彫像は、立像に限れば、金剛山寺地蔵菩薩像(重要文化財)や地福寺十一面観音像(重要文化財)が初期の遺品として知られ、中期では松尾寺十一面観音像(重要文化財)や西岳院千手観音像(県指定文化財)などがあります。その中で、本像は修理箇所が大きいですが、当地域における平安中期の優れた地蔵菩薩の木彫の一作として注目すべきものです。

  • 釋尊寺…山号「方虚山」。近世真言宗の寺院であったといわれていますが、昭和20年頃には無住だったようで、高田口町自治会が管理しています。平成29年に仏堂(本堂)を新築し、厨子入十一面観音像(室町時代)を本尊としています。
  • 通常はお寺が閉まっています。拝観を希望する場合は、市役所まちづくり戦略課文化財保存活用係まで。

 

この記事に関するお問い合わせ先

まちづくり戦略課 文化財保存活用係

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大和郡山市北郡山町248-4
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