まちかどレポート423

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

平成27年度 杵築神社の秋祭り宵宮(平成27年10月19日掲載)

(まちかどレポーター 後藤)

黒い屋根、赤い壁に2つ提灯のついた大小並んだ杵築神社の写真

10月10日(土曜日)、市内山田町に鎮座する杵築神社の秋祭り宵宮に行って来ました。
まちかどレポーター丸山さんも昨年、杵築神社をレポートしておられますので、そちらもあわせてご覧くださいね。

詳しくは以下のリンクをご覧ください。

このお社の宵宮行事は八俣大蛇(やまたのおろち)退治にちなむ祭りと言われています。境内に着くと少し早かったためか人影はまばらでしたが、集落の女性の方が手作りの夜店を出しておられ、それを目当てに数人の子どもたちが「当てもの」などで遊んでいました。

暗がりの中電灯の下で準備をする人たちの写真
本殿内部だけに明かりがともっている夜の写真

明かりの灯った本殿近くでは役員の方々が準備したり世間話をしながら、祭りの開始を待っておられます。
19時半より小泉神社の神官による神事のあと、20時から直会の酒盛りが始まりました。

畳に座った人たちが円になっている写真

八俣大蛇退治神話の中の酒を使った大蛇退治は、ここでは子どもが大人にお酒をふるまう儀式で再現されます。
大蛇役の大人はお酌するスサノオノミコト役の子どもさんに「大きなったな、何年生になった?」と声を掛けたり、「もっとたくさん注いでや」とはやし立てたりし、場は大いに盛り上がっていました。
照れながらムラの長老さん方と言葉を交わす子どもさんの姿に、初々しさを感じましたね。
「もっと酒、入れてや!」との大人からのリクエストに、子どもたちは大人を酔わせようとたっぷりとお酒を注ぎます。
やがて大人も上機嫌になり、笑顔がこぼれ始めました。

この後は、大人と子どもの樫の木の引っ張り合い。
子どもたちはこれを「木の綱引き」と呼んでいました。

畳に座った人たちの中で木の綱引きをする2人の写真

男の子、滑りやすい板間を大人に負けないよう必死に踏ん張っています。
引き合うたびに、樫の葉はポロポロと落ちていきました。

ふと境内の広場に目を向けると、大勢の人が集い賑やかになっていました。
なぜなら、まもなくお松明に点火される時間が近づいてきたからです。

明かりがともっている本殿の周りに集まった人たちの写真

さあ、松明に火が移されました!
炎は一瞬で境内を赤く染めあげ時折、松明の竹がパチパチと刺激的な音を発しています。
風はなく、炎はどんどん大きくなっていきました。

火が高く上がった燃えている松明の様子の写真
本殿から松明を見つめる参加者のみなさんの写真

境内に詰めた人々はみな、燃え盛る松明を一心に見つめています。
祭りが始まる前にムラの方々は、この「でんでらこ」と呼ばれる大松明に自宅から持ち込んだ古護符などを差し込んでおられました。
私の傍で、小学校6年生の男の子が「この松明、僕らをいつも見守ってくれているねん」と下級生に言っていました。

大蛇の化身とされる大松明。純真な子どもの言葉に感銘を受けながら、私は漆黒の闇に浮かび上がる炎をいつまでも見つめていました。