令和7年2月 「大雨の被害に備えるために」


大和郡山市長
昨年4月このコーナーで、川に流れ込む一時水を少しでも減らそうと、平成14年から始まった雨水タンクの設置に関して補助金交付割合の見直しや設置前申請から設置後申請への変更について紹介しましたが、おかげさまで令和6年度は前年の約5倍の申請をいただき、通算の設置台数は280基、貯水量は合計58,220リットルとなりました。
家庭用の風呂に入れる水は200リットルが大体の目安だそうですので、大雨が予想されるとき、タンクを空にしておいていただくと浴槽約300杯分の水が川に流れ込まずにすむことになります。
まさに『小さなダム』です。
前回も書かせていただいたとおり、場所の制約などもあるかと思いますが、あらためて来年度に向けてご検討いただければ幸いです。
一方、本市を流れる富雄川、佐保川、地蔵院川、高瀬川を含む大和川水系の18河川は都市河川に関する法律改正後の令和3年12月に全国で初めて「特定都市河川」に指定されたのですが、その後、治水対策はそれまでの総合治水から流域治水へと大きく変わっていくことになりました。
総合治水は、河川などを整備して「ながす」、田んぼなどに一時的に水を「ためる」、浸水被害に「そなえる」対策を組み合わせたものですが、流域治水は、流域のあらゆる関係者が互いに協力しあい、川底の掘り下げや堤防の整備のように国などが進めるハード面だけでなく、流域市町村と住民の協働による土地利用の規制などソフト面の対策もあわせて進めていくというものです。
そのうち、水や雨水を一時的に貯留する機能を元々持っている土地をこれからも保全する目的でつくられた「貯留機能保全区域」に、本市の番条地区が、市としては全国で初めて指定されました。
ご理解、ご協力いただいた地元の皆様に心から感謝申し上げますとともに、年々増える大雨被害に備えるため、今後ともよろしくお願い致します。
更新日:2025年02月01日