令和6年5月 秀長さん


大和郡山市長
毎年4月22日、箕山町にある豊臣秀長の墓所大納言塚では秀長公の墓前祭が行われています。
本来の命日は1月22日ですが、暖かい時期を選び、受け継がれてきたということです。
先日、その秀長を主役とするNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の制作が発表され、大変嬉しく思うとともに感慨深く受けとめているところです。
というのも天下人秀吉を心から支えた補佐役に光が当たったこと、さらに郡山城の築城や、箱本十三町などのユニークなまちづくりにより大納言さんとして今も市民に広く親しまれていることに大きな意義があると考えたからです。
小説『秀長さん』(鞍馬良著/文芸社文庫)には秀長(小一郎)と秀吉(藤吉郎)の関係が次のように描かれています。
”小一郎は後年、豊臣政権の中枢にあって、大名、領民達の信頼を得ていくのだが、いつも「双方の話を丁寧に聞いてやる」、これが信条であった。”
”小一郎は心を砕いて、兄藤吉郎の将来に大きな夢と目標を抱いて、有能な家臣団の形成に注力する日々を送っていった。”
秀吉に対して本音で意見を言うことができたのは千利休と秀長だけだったとか。
しかし秀長が病気のために51歳で亡くなってからわずか3か月後に千利休は切腹を命じられ、翌年には朝鮮出兵が始まるなど、豊臣家の落日を秀長が見ることはありませんでした。
この4月、庁内に「大河ドラマ2026係」を設置し、本市としての考え方や大納言秀長の位置づけその魅力の発信などについて幅広い視点から取り組んでいきたいと考えていますが、ふるさとに対する夢や誇り、自信、まさにシビックプライドを高める機会にするとともに、とりわけ未来を担う子どもたちが胸を張って秀長のことを語れるまちづくりを進めていきたいと思いますので、ご理解、ご支援のほどお願い申し上げます。
更新日:2024年05月01日