平成23年10月31日 初時雨(はつしぐれ)


大和郡山市長
けふ斗 人もとしよれ 初時雨
良玄禅寺(茶町)の境内にたたずむ石碑に刻まれた松尾芭蕉の句で、今の言葉に置き換えると、「今日ばかり 人も年寄れ 初時雨」となります。
元禄5(1692)年の秋、江戸の彦根藩邸で開かれた句会で、当時48、49歳の芭蕉が、30歳代半ばの弟子森川許六(きょりく)らに対して、初時雨が降ってきた。若い人も今日だけは年寄りの気持ちになって、時雨の情緒をしみじみと味わってほしい、と呼びかけた句だそうです。
年寄れという言葉を聞いて、年齢に対する感覚の違いに驚かされますが、この2年後、50歳代の初めに芭蕉は亡くなっていて、二度びっくりです。
その芭蕉は何度か大和を訪れています。郡山の地に足を踏み入れることはあったのか、なぜ初時雨の句がこの寺にあるのか、ご存じの方はお教えください。
一方、弟子の許六はその後、
菜の花の 中に城あり 郡山
という句を残しています(郡山城跡の市民会館前に句碑)。
時雨というのは、秋から冬にかけて、一時的に降ったりやんだりする雨や雪のことですが、台風12号による被災地の方々にとっては辛い季節の到来。一日も早い復旧・復興を願うばかりです。
先日、宮城県東松島市で被災地支援の経験を積んだ職員を、県の要請に応じて十津川村に派遣しました。
さまざまな形で、これからも支援を続けていかなければと考えています。
更新日:2021年03月19日