第4回 水木十五堂賞 受賞者の紹介

更新日:2021年03月19日

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第4回 水木十五堂賞の受賞者は、阿波木偶箱まわしで用いる木偶や周辺用具などの資料の蒐集を行い、失われかけた伝統芸能の復興・継承に大きく貢献されている辻本 一英 氏に決定しました。

受賞者紹介

黒い服を着た壮年の男性が少しだけ暗い屋内で座って正面を向いている写真

(上写真) 辻本 一英 氏

つじもと かずひで
辻本 一英

徳島市出身 1951年生まれ
芝原生活文化研究所・資料室代表
NPO法人ヒューマンネットとくしま理事長
阿波木偶箱まわし保存会顧問
徳島県部落史研究会会長徳島ペンクラブ理事
駒澤大学文学部国文学科、佛教大学社会学部社会福祉学科卒業

徳島県内の多様な被差別民の文化に注目し、無形民俗文化財調査や史資料の蒐集に取り組む。1998年に、芝原生活文化研究所・資料室を開設し、徳島県に特徴的な「三番叟まわし」「箱廻し」「えびすまわし」「大黒まわし」等の阿波木偶文化の調査研究活動を行う。史資料の蒐集は、阿波木偶関係を中心として、阿波北方における多様な職能に使用された生産用具や生活民具に及ぶ。中でも、阿波木偶の門付け用具(163点)は、2009年に国登録有形民俗文化財第12号(四国初)となる。

1995年に阿波木偶箱まわし保存会を組織して、技術や旦那場を現代に継承する。阿波木偶「三番叟まわし」の門付は、江戸期の様相を伝統的に継承した無形文化財として注目され、『ゆく年くる年』(NHK総合、2011年)でも紹介された。阿波木偶箱まわし保存会は、各方面から評価され、徳島新聞賞文化賞(2006年)、ユネスコ「ACCU賞」(2009年)、阿波文化創造賞(2009年)などを受賞した。

2011年から4年間、徳島県内外の研究者を招聘して阿波木偶箱まわし調査・伝承推進事業を企画し、調査報告集(4冊)を出版する。その成果は高く評価され、阿波木偶「三番叟まわし」の基礎資料となった。

現在、全国各地で人権・福祉、文化関係の講演を行う傍ら、伝統大道芸や一人遣い伝統人形芝居公演を国内外で企画する。2015年には、ミラノ万国博覧会の日本館(徳島ウイーク)で木偶文化を発信し、大きな反響を呼んだ。他に、ドイツ、フランス、ポルトガル、韓国、アメリカ合衆国などで公演。

選考理由

戦後、消滅しかけていた徳島県に特徴的な木偶人形による祝福芸能および娯楽芸能である阿波木偶箱まわしで用いる木偶や周辺用具などの資料の蒐集を行われ、伝統芸能の復興・継承に大きく関わり、社会に貢献されている。

辻本 一英氏 受賞コメント

「蒐集した三番叟やエビス木偶が「福」を運んでくれたのでしょうか。「水木十五堂賞」受賞の吉報に驚くとともに、深いご縁を感じてなりません。私どもが伝承する阿波木偶「三番叟まわし」は、四体の木偶による門付芸で四国各地を回檀しました。愛媛県伊予市で生まれ育った水木要太郎少年は、正月に「三番叟まわし」を迎えたに違いありません。ご縁を繋いでいただいた選考委員の皆さまに、深く感謝しています。」

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