第2回 水木十五堂賞 受賞者の紹介

更新日:2021年03月19日

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第2回 水木十五堂賞の受賞者は、元関西大学文学部教授、書誌学者、日本文学者として大阪の庶民文化、近世文学、上方芸能史などに関する研究と膨大な資料蒐集を行われ、「なにわ学」の大家として活躍されている肥田 晧三氏に決定しました。

受賞者紹介

和室で、青い和服を着たご年配の男性が右手を少し手をあげ映っている写真

(上写真) 肥田 晧三 氏

ひだ こうぞう
肥田 晧三

昭和5年大阪市中央区生まれ。
昭和28年大阪府立高津高校を病気のため中途退学、以後長期の病気療養生活を経て、昭和43年大阪府立中之島図書館嘱託の職を得て古典籍整理の業務を行う。

関西大学図書館嘱託、関西大学文学部講師を経て、昭和59年関西大学文学部教授に就任、書誌学、近世文学を講義。昭和60年江戸時代の上方子ども絵本を集めて『近世子どもの絵本集・上方篇』を岩波書店から出版、「毎日出版文化賞特別賞」を受賞。平成元年関西大学より文学博士の学位を受ける。平成2年関西大学退職、現在に至る。

戦前の大阪で郷土研究雑誌『上方』を主催した南木芳太郎氏の強い影響を受け、中学二年生の時に南木氏に質問の手紙を出し、教えを受け、将来は郷土史家になる夢を持つ。後年、大阪の文学・風俗・芸能について書いた文章を『上方風雅信』(昭和61年)、『上方學藝史叢攷』(昭和63年)の著書にまとめる。平成17年にINAXギャラリー大阪での「肥田せんせぃのなにわ学」展にコレクションの大阪資料を展示(東京・名古屋を巡回)。岩波書店の『露伴全集』に収録の漏れた幸田露伴作品を『露伴遺珠』(昭和53年)に集め、続いて『露伴全集別巻』全2巻、『幸田露伴集』(新日本古典文学大系明治編)を編む(共編)。在野の優れた学者である林若樹、三村竹清の著作を集成して『林若樹集』、『三村竹清集』全9巻を編刊(共編)。岩波書店の『大田南畝全集』全20巻の月報に「蜀山人伝説を追う」を18回にわたって連載、蜀山人の一面を明らかにした。蜀山人は水木十五堂の愛した文人である。

選考理由

書誌学者、日本文学者として、大阪の庶民文化、近世文学、上方芸能史などに関する研究と膨大な資料蒐集を行われ、「なにわ学」の大家として、『なにわの生き字引』にふさわしい博識でもって社会に貢献している。

肥田 晧三氏 受賞コメント

「水木十五堂賞を授与下さり身に余る光栄です。大した業績もなく無名に等しい私はその栄誉に値せぬ者でありますが、大和郡山市並びに選考委員会の御推挙、誠にありがたく、僭越ですが、よろこんでお受けさせていただきます。徒らに老齢を重ねているだけの私に賜ります御芳情を厚くお礼申し上げます。水木要太郎先生のお名前は、亡父が水木家の有名な大福帳のことや十五堂翁の広い御趣味のことを聴かせてくれ、少年時代から存じ上げ、遙かにご尊敬申し上げていました。また、御子息の水木直箭先生とは晩年にお近づきになり、優しくしていただきました。このたび、水木十五堂賞をいただくこととなり、そうしたご縁をうれしく思い出しています。」

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