第5回 水木十五堂賞 受賞者の紹介

更新日:2021年03月19日

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第5回 水木十五堂賞の受賞者は、従来注目されることが少なかった庶民、特に女性の日記の蒐集を行い、その時代を生きた人々の想いを表現するとともに庶民の暮らしを実証する貴重な資料として保存、活用し、次代に正しく伝えることに貢献されている島 利栄子 氏に決定しました。

受賞者紹介

中高年の黒い服と首にネックレスをしている女性の写真

しま りえこ
島 利栄子

昭和19年(1944年)長野県東筑摩郡坂北村(現・筑北村)で生まれる。
昭和42年信州大学文理学部卒業。長野県須坂高校で教師をつとめる。
昭和44年結婚と同時に千葉県市原市へ。その後、夫の転勤で北海道苫小牧市、山口県徳山市(現・周南市)へと移り住み、昭和63年再び市原市へ。平成6年千葉県八千代市へ移住する。各地で女性からの聞き書きをする過程で日記等庶民の記録が破棄される状況を知る。
平成8年「女性の日記から学ぶ会」を創立、現在まで代表を務める。「現存する日記を収集・保存・活用し、次代に正しく伝える」をテーマに活動を続け今年、創立20周年を迎えた。全国で会員240人。提供を受けた日記等4,000点。日記の収集・保存、展覧会、研究、会報発行(年3回)、出版などユニークな活動が認められて、平成13年にシャルレ女性奨励賞を受ける。

日記研究

当用日記、一代の日記、家計簿、育児日記、介護日記、闘病日記、健康日記、絵日記、旅日記、戦時下の書簡(日清、日露戦争、太平洋戦争)、母子手帳、卒業証書、通知表、教科書など

日記展

東京、京都、山口、長野、千葉県下、島自宅で合計51回

会報発行

「日記ろまん」年3回。現在65号発行

出版

『手紙が語る戦争』(編集責任、みずのわ出版、平成21年)
『時代を駆ける 吉田得子日記 1907-1945』(編集責任、みずのわ出版、平成24年)

講演

日記関係の講演350回 日本ペンクラブ会員。元千葉県青少年問題協議会副会長、元千葉県図書館協議会副会長、八千代市図書館協議会会長などもつとめる。

著書

『周防の女たち 証言・嫁姑のたたかい』(マツノ書店)
『山国からやってきた海苔商人』(郷土出版社)
『千葉 はたらく女』(東銀座出版)
『キッチンの窓から』(郷土出版社)
『ときを刻む信濃の女』(郷土出版社)
『いくさと愛と』(編集、東京新聞出版局)
『日記拝見!』(博文館新社)
『戦時下の母』(展望社)
『母の早春賦』(一草舎)
『親なき家の片づけ日記 信州坂北にて』(みずのわ出版)
『女性の日記から学ぶ会 20年の歩み 平成8年―28年』(編集責任)

(上写真) 島 利栄子 氏

選考理由

従来注目されることが少なく、歴史に埋もれがちな庶民、特に女性の日記の蒐集を行い、その時代を生きた人々の想いを表現するとともに庶民の暮らしを実証する貴重な資料として保存、活用し、次代に正しく伝え、社会に貢献されている。

島 利栄子氏 受賞コメント

無名の主婦である私が、水木十五堂賞を戴きますこと身に余る光栄と、ご推挙下さった選考委員会の諸先生方、並びに大和郡山市に心よりの感謝を申し上げます。
今まで注目されることが少なかった庶民の日記が破棄されている事実を勿体なく思い、平成八年「日記を収集・保存・活用し次代に伝えたい」と「女性の日記から学ぶ会」を創設し以来、代表を務めてきました。

  1. 日記筆者に感謝し
  2. 日記を社会の遺産にするため
  3. 生活者の視点を大事に
  4. 日記の虚実を見抜けるように…

の四原則を掲げて二十年間、全国二百四十人の会員と共に、日記研究、日記展、会報発行、出版などの活動を続けて参りました。今後は提供頂いた日記資料三千五百点の整理整頓を進め、若者も巻き込んだ更なる活用、保存の道を探したいと考えています。
この栄誉を終生の励みに、日記を起点に「多くの人との出会いをつなぎ」「世代をつないで」社会のお役に立っていきたいと願っています。」

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