令和5年8月 命をいただくということ

更新日:2023年08月01日

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上田清

大和郡山市長

この6月20日、農林水産省は高病原性鳥インフルエンザについて「清浄化」を宣言し、国際獣疫事務局に認められたと発表しました。
「清浄化」は事実上の終結宣言だそうです。
しかし、昨年秋以降、全国各地で1,771万羽が殺処分されたと聞くと、何ともやるせない気分になってしまいます。今のところそれ以外の方法はないということなのですが。
一方、本市丹後庄町にある「食肉センター」は安全安心な食肉を提供する県内唯一の施設として大きな役割を果たしています。
主に提供されているのは牛肉と豚肉で、直近の令和4年度の実績をみると
牛3,523頭(前年度比393頭増)
豚6,872頭(前年度比1,856頭増)が処理され、
牛については右肩上がりの状況が続いているのに対し、豚については「豚熱」の影響で令和3年度に大きく落ち込んでからようやく回復に向かい始めたところで、生き物を扱うからには安全安心の確保は欠かすことができません。
そうしたうえで、令和4年度は1日あたり、牛が約10頭、豚が約20頭処理されている、つまりその命をいただいたというのが現実の姿です。
そもそもこの施設が作られるきっかけとなったのは、県内5か所の「と畜場」の老朽化で、昭和50年代から議論が始まり、最終的に現在の場所に新施設の建設が決まったのですが、地元ではさまざまな意見があるなか、平成3年春、当初は「食肉流通センター」として開業に至ったのです。
市内にこうした施設があることは是非、知っておいていただきたいと思います。
センターでは見学も可能です。私も一度体験しましたがいろいろなことを考えさせられました。
もちろん、食に対する考え方はさまざまであることは承知しつつ。