令和5年10月 『ゆずりは古事記』の発刊

更新日:2023年10月01日

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市長てくてく城下町タイトル
上田清

大和郡山市長

春、新しい若葉に譲るように前年の葉っぱが落葉することに由来する常緑高木の「ゆずりは」。

その花言葉は「世代交代」ですが、先月本市が発刊した『ゆずりは古事記』には「未来につなげる言葉の種蒔き」をめざす著者大小田(おおこだ) さくら子さんの熱い思いが込められています。

郡山出身の稗田阿礼が伝えたとされる古事記が今まで以上に身近な存在となったきっかけは、2012(平成24)年の「古事記1300年紀」でした。

この年は『人間ってすごいじゃないか。語り継ごうよ語り部の里から。』という呼びかけのもと、「ふるさと語り部エッセイ」の作成、「当世語り部口座」やシンポジウム『古事記と宇宙』などの、開催、市民劇団『古事語り部座』による『古事記(ふることぶみ)』の上演、大和郡山産純米酒『こをろこをろ』の発売などなど、文字どおり古事記一色に彩られた1年となったのです。

そうしたなか奈良県主催の『古事記朗(ろう)誦(しよう)大会』は大変好評で、市町村長の部では私も古代衣装に身を包んで『こをろこをろ』が登場する場面を朗誦したことを懐かしく思い出しています。

この朗誦大会で発声方法などを指導いただいたのが大小田 さくら子さんで、そのことがきっかけとなって交流が始まり、今や郡山城天守台の観月会や、阿礼に因んで毎年開催している記憶力大会などでの古事記朗誦がすっかり定着しました。

その後、それまでの鎌倉から奈良に移住された大小田さんのご縁で『かまくら春秋社』の伊藤 玄二郎さんからふるさと納税を活用して大小田さんの書籍を発刊しては、という提案をいただいたのです。それはひらがなによる古事記の原文よみくだし文と現代語訳を並べた画期的な書籍で試行錯誤を重ね、ようやく発刊に至った次第です。

本書籍は市内の小中学校や高校、全国の図書館に寄贈するほか、かまくら春秋社を通じて県内の書店でも販売される予定ですので、是非一度ご覧いただければと存じます。