令和5年4月 眠っている古文書はありませんか?

更新日:2023年04月01日

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市長てくてく城下町タイトル
上田清

大和郡山市長

3月15日の『つながり』に「市内に眠る古文書をお知らせください!」という文章が掲載されていましたが、きっかけとなったのは市内外川町の自治会から市に寄贈いただいた古絵図でした。

専門家によれば、この絵図は今から333年前の元禄3(1690)年12月14日に富雄川水論(田んぼへの水の分配を巡る紛争)の和解に際して作成されたもので、外川町から満願寺、小林、筒井、今国府、椎木村までの広大な範囲の川やため池、道路などが1枚の絵図にカラーで描かれていて大変貴重なものだそうです。

富雄川左岸には上流から「三ケ井」「十ケ井」「七ケ井」という3つの井(い)堰(せき)が設けられていて、三ケ井は新木・田中・外川の各村が、十ケ井は小南・外川・満願寺・田中・池之内・豊浦・本庄・杉・筒井の各村が、七ケ井は筒井・小林・今国府・椎木の各村が、せき止めた水をそれぞれの田に引いていましたが、この時期3つの井堰を超える水論が起こったのではないかということでした。

先日、みごとな技術を使って修復・復原をいただいた絵図を拝見しましたが、畳2枚ぐらいにも及ぶ大きさにびっくりするとともに、正確で丁寧な筆使いと彩色に感動しました。

なかでも目を引くのは、主要な道路を示す赤色の線で、椎木や今国府村の北を東西に走る道路はそのまま今の国道25号線ではありませんか。

いつまでも眺めていたくなる古絵図。

令和5年4月14日(金曜日)までの1か月間、原寸大の複製を市役所1階のロビーで公開展示しますので、是非一度ご覧ください。
300年を超える長い年月の経過により、傷みが激しく、修復も危ぶまれるような状態でしたが、歴代大切に守り伝えていただいた外川町の方々に心から敬意を表する次第です。

豊かな歴史を育んできた城下町郡山。
もしもどこかで眠ったままになっている古文書や文化財があれば、市役所まちづくり戦略課文化財保存活用係(電話53-1151 内線733)にお知らせいただければ幸いです。