令和2年9月 四代目旭堂南陵師匠の死を悼む

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町タイトル
上田清

大和郡山市長

「芸に関しては、芸術祭大賞等多く受賞していますが、私自身の博士論文にスポットを当てていただいたことは、無上の喜びです。」
今年の春、第8回水木十五堂賞に輝いた四代目旭堂南陵師匠の受賞コメントの一部です。
師匠は講談師として幅広く活躍されるかたわら、近代文学などに大きな影響を与えたにもかかわらず、近年はすっかり忘れ去られていた講談の速記本を約50年かけて収集・研究を重ね、講談の歴史的な価値を世に問うとともに、寄席芸人初の学術博士として、後進の指導や上方文化の発展に貢献されたことが、受賞の理由でした。
表彰式後の記念座談会では、
・名文を書きたければ講談を聴きなさい
・読み聞かせよりも子どもにしゃべらせることが大切
・「活弁」は講談師だった人が多い
・講談は、残念ながら文学史の中で忘れ去られている
・言葉は大切。郡山の言葉(方言)を保存する市民運動を起こしては?
などなど、さまざな思いを語っていただいた姿が印象的でした。
その師匠が何と・・・。
というのも、師匠に次ぐ第9回水木十五堂賞の選考委員会が開催された7月30日まさにその日、四代目旭堂南陵師匠が急逝されたのです。
言葉を失ってしまいました。
気さくな方で、座談会後の懇親会でもざっくばらんにお話をいただき、再会というか、ある会合にゲストとしてお越しいただくお約束をいただいていたのに・・・。本当に残念でなりません。
心からご冥福をお祈り申しあげます。
どうぞ安らかにお眠りください。
ありがとうございました。