平成30年4月 『池宮正信さんのピアノ』~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 毎年楽しみにしているピアニスト池宮正信さんの帰国コンサートが先日行われ、久しぶりに池宮さんとお会いすることができました。
 1946(昭和21)年、中国で生まれた池宮さんは日本へ引き揚げ後、京都で高校在学中に渡米。
 インディアナ大学大学院で修士号を取得し音楽の道へ。その後ピアニスト、室内楽奏者、指揮者、古楽器研究家、国際音楽コンクール審査員としての活動は世界に広がり1991(平成3)年には国連本部から「最高の音楽家」として表彰されました。
 題名のない音楽会や徹子の部屋、百万人の第九など国内でもさまざまな番組に出演し、数多くの人々に愛される池宮さんの名をさらに高めたのが19世紀から20世紀にかけて、アメリカを中心に大流行した、黒人的リズム感覚を特色としジャズの源流ともいわれる『ラグタイム』でした。今やそのトップピアニストとして認められています。
 帰国コンサートでは、池宮さんの軽妙な語りが楽しいラグタイムに観客も体を揺らしながら、手拍子で参加し、いつも元気をいただきます。
 その池宮さんは現在、アメリカメイン州で自然農法や自然エネルギーを利用した自給自足に近い生活を送りながら音楽活動を行っておられますが、この春の帰国コンサートを最後に、アメリカでの活動に専念されることを決断されました。
 大変残念なことですが、今回、池宮さんから大きな、大きなプレゼントをいただくことに。
 それは、何度もコンサートを開いた城ホールとの深いご縁により、池宮さん愛用の貴重なピアノをご寄贈いただくというもの。
 大ホールの前に展示するとともに、ご希望によりその場所でミニコンサートに使っていただければ。池宮さんにも快諾をいただきました。大切に語り継いでいきたいと思います。