平成30年5月 『土ぐも退治』~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 5年前、DMG MORIやまと郡山城ホールを会場として開設された「奈良フェニックス大学」の今年度の入学式が先日、行われました。
 シニア世代(盛年)の学びと集いの場。
 さまざまな人生を歩んできた方々が週に一度のペースで集まり、学び、学びあうとともに、自由なクラブ活動も魅力のひとつとなっています。
 「放課後」の懇親会が市内で行われることも多く、城下町の元気に一役買っていただいていることに、あらためて感謝しているところです。
 入学式後の交流会では講師の方々と話をさせていただくのも楽しみですが、今回は奈良県広報誌「県民だより奈良」に10年以上「奈良のむかしばなし」を連載しておられる文筆家の山崎しげ子さんと大いに話がはずみました。
 後日、送っていただいたのが郡山に伝わる民話『土ぐも退治』。7年前「むかしばなし」の第31話として掲載されたもので、あるお坊さんと犬のサンが郡山外川のむら(現外川町)にやってくると村中が静まり返っていた、理由をたずねると、村の西にある深い山にすむ土ぐもに毎年、若い娘を差し出さなければならない、今日はその日で、かわいそう、ということで、お坊さんと犬のサンが土ぐもと闘い、これを倒しますが、サンは土ぐもの毒で命を落としてしまうというお話です。
 若い娘を差し出す習わしを破ると、矢田地域は干ばつになるという言い伝えが背景にあったようで、その言い伝えを受け継いでいるのが、外川町から西へ、奈良高専を過ぎたところにある「主人(ぬすと、ぬしととも)神社」だそうです。
 矢田坐久志玉比古(やたにいますくしたまひこ)神社の御旅所(おたびしょ)、主人神社の東にはこの春、矢田認定こども園が開園しましたが、地域のこうした言い伝えや昔話を語り継いでいってほしいものです。