平成30年7月 全村あげての「祝賀デー」~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 先日、ある市民の方から古い新聞記事のコピーを見せていただきました(大阪朝日新聞)。
 表題には~近く開通する『大和小泉駅』開通式と三日間の祝賀~とあります。
 大和小泉駅の開通は大正9(1920)年8月25日。
 大阪鉄道の奈良ー王寺間の開通により、明治23(1890)年郡山駅が営業を開始してからすでに30年もの歳月が過ぎていました。
 記事によれば小泉駅の新設を求める動きは明治44年、片桐村長を中心とする請願に始まりますが、却下が繰り返されるなか、村戸賢徳片桐村長の時代になってようやく理解が広がり、大正9年の営業開始を迎えることができたのだそうです。
 8月25日は午前10時から新設駅構内で開通式が行われましたが、「開通当日より三日間は全村業を休み祝賀デーを催すべく相撲、喜劇、煙火(はなび)其他の余興行はるべし」(同上記事より)とあり、当時の人々にとっては世紀の一大事だったのではないでしょうか。
 村戸村長は「色々苦心したことであった」が、新駅は「生駒郡における物資集散の中心となり」「小泉の庚申、慈光院、松尾寺、矢田寺、其他名所旧跡を訪なふ者の為多大な便益」「地方開発上資する処」は「甚大」という談話を寄せています。
 当時の面影は失われてしまいました。
 しかし先人の熱意と苦労があって今があることを、この駅に限らず、忘れてはならないとあらためて感じているところです。
 ちなみに2年後の2020年、大和小泉駅は開業100年、郡山駅は130年ということに。しかも同年は、松尾寺を創建した舎人親王らによる『日本書紀』の完成から1300年。そして第60回お城まつり。
 東京オリンピックの年に、さまざまな物語がつながっていくような気がします。