平成29年3月 石の声を聴け~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 このほど郡山城天守台の整備が完了しました。
 3月26日(日曜日)から一般公開となりますので、展望施設のデッキから、順慶や秀長をはじめ郡山城にゆかりのある大名や武将が眺めた景色を楽しんでいただきたいと思います。施設の完成にあわせ、天守台にスマートフォン等を向けると、かつてそびえていた天守閣の画像などが浮かび上がるアプリケーションの配信も始まる予定です。
 一方、昨年秋にスタートした「石垣の語り部」養成講座には100名もの方々がご応募いただいたのですが、先日、その特別講演として、滋賀県にある粟田建設の粟田純司会長のお話を伺う機会があり、わが国の伝統技術の奥深さに感動しました。
 およそ400年前につくられた郡山城天守台の石垣には自然石を積み上げた積みという技法が使われていますが、その後、野面積みの中心的な役割を果たすのが近江ので、粟田建設が300年来、その技術を伝えたこられたそうです。
 何よりも驚いたのは粟田家に伝わる家訓で、その心構えとして書かれているのは「石の声を聴き、石の行きたいところへ、その石を持って行け」。
 メジャーでサイズを測りノミで削りながら収めていくやり方を何年も重ねた末、粟田会長がある時ふとたどり着いたのが家訓の境地で、以来メジャーを持つ必要はなくなったとか。
 石垣の技術は見直されつつあり、コンクリートのブロックの1.5~2倍の強度があるという実験結果を踏まえ、新名神高速道路の護岸壁の一部には何と穴太衆の石垣が採用されているそうです。
 400年の風雪に耐えてきた郡山城天守台。お城まつりにあわせて、是非お出かけください。