平成29年5月 画僧 古礀(こかん)の展覧会~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 今年はお城まつりが始まっても桜がなかなか咲かずやきもきしましたが、待たせた分を取り戻すかのように一気に開いた花が、4月中ごろまで私たちを楽しませてくれました。
 ある花見の場で思いついた句です。
 かけっこの 子らについてく 花ふぶき
 ところで平成27年11月、このコーナーで「忘れられた江戸時代の人」と題して郡山にゆかりのある僧侶古礀(こかん)のことを紹介しましたが、その没後三百年を記念する特別展が、この5月20日から「大和文華館」(奈良市学園南1-11-6)で開催されることになりました(7月2日まで)。
 和州郡山で生まれたという記録もある古礀(1653~1717)は、狩野派の流れをくみ、雪舟の影響を受けたといわれる画僧で、巨大な『涅槃図(ねはんず)』や、大仏殿復興のようすを描いた絵巻物『大仏殿虹梁(こうりょう)古曳図(こびきず)』などが有名ですが、今回の特別展のチラシには、ほのぼのとしたほほえみを浮かべる『大黒天図』が紹介されていて、和尚が急に身近な存在になったような気がしています。
 特別展では、古礀和尚が残したユーモラスな絵も多く展示されているそうで、楽しみです。
 一方、郡山市内からは『植槻道場絵巻』(植槻神社)、『弁才天図』(永慶寺)、『涅槃図』(光伝寺)、『八幡神像』(薬園八幡神社)、『大黒天図』『七福神図』(柳沢文庫)、『山水図屏風』(本家菊屋)など、貴重な作品が紹介されますので、是非一度お出かけください。
 いつの間にか、忘れられてしまった画僧古礀。
 脚光を浴びる日が来るかも知れません。
 タイトル・文中の「古礀」の「礀」の字は、正しくは、「石へん」に「間」という字になります。