平成29年11月 修羅(しゅら)~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 この春、完成した郡山城天守台の展望施設。
 記念事業のひとつとして、築城の際、大きな石を運んだ苦労を肌で感じてもらおうと「修羅引き」の実演が行われ、100人の子どもたちが力をあわせて7.2トンもの巨大な石を修羅(木ぞり、これ自体が2.2トンもあります!)に乗せて、バスパークから三の丸緑地までそろり、そろり。
 「動いた!動いた!!」子どもたちの笑顔がはじけました。
 ところで「修羅」とは何なのでしょうか。
 話は遠くインドに飛びます。
 古代インドの神「阿修羅(あしゅら)」(略して修羅とも)は正義を司る神でしたが、力を司る神「帝釈天(たいしゃくてん)」に何度も戦いを挑む戦闘の神でもありました。
 激しい戦いの場を「修羅場」と呼ぶのは、ここからきているといわれます。
 激闘ののち、敗れた阿修羅は仏教の世界に取り込まれ、やがて仏法の守護神となりますが、何ごとにも動じることのなかった帝釈天を動揺させた、つまり帝釈(たいしゃく)=大石(たいしゃく)を動かした唯一の神が阿修羅だったことから、大石=巨石を動かす大きな木ぞりのことを「修羅」と称するようになったのだとか。
 だじゃれのような話ですが室町時代のある百科事典にはそのことが明記されているそうです。
興福寺のあの有名な、そしてとても人気のある阿修羅像からは想像もできない世界ですが。
 実際にこの春使われた修羅と巨石の展示場(今井町)が完成し、11月11日(土曜日)からみなさまにご覧いただくことができるようになりました。
 一方、11月8日(水曜日)から3回にわたって「懐かしのボンネットバスで巡る~大和郡山市 三城めぐり~」が始まります。
 お城にまつわるさまざまな文化を、これからも広く発信していきたいと思います。