平成28年9月 もうひとつのオリンピック~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 リオデジャネイロ・オリンピックの熱い闘いも終わりを告げ、次はパラリンピックの開幕です。
 そして気がつけば、東京大会まであと4年ですが、前回の東京大会とはまた違った意味で社会全般に与える影響は大きいのではないでしょうか。
 というのも、オリンピック・パラリンピックを支える『オリンピック憲章』には、「オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものである。」「少なくともオリンピック村の開村から閉村までの期間、文化イベントのプログラムを催すものとする。」という項目があり、単なるスポーツの祭典ではないことが当初からの理念だったのですが、近年そのことが再評価されつつあるからです。
 文化プログラムは第二次世界大戦まで「芸術競技」という形で行われ、金銀銅のメダルも授与されていました。しかし、戦後は「芸術展示」に変わり、東京大会では古美術や近代美術などの展示や伝統芸能が披露されたそうです。
 その後1992年のバルセロナ大会から文化プログラムは新たな段階に入り、前回のロンドン大会では、ユニークな取り組みが注目されました。
 ひとつは大会前の4年間を通じて展開される文化プログラム、そしてもうひとつは、オリ・パラにあわせて行われるフェスティバル。
 特に後者のフェスティバルは「一生に一度きり」を合い言葉に、地方小都市の役場や小さな広場、あるいは教会やそれこそ墓地などまで含む「あり得ない場所」での無料のアートプロジェクトを通じて「あらゆる文化に共通する創造性を、とりわけ若者たちに喚起させ」ようとしたもので10,000件を超えるイベントに290万人が参加し、その7割近くが若者だったといいます。
 多数のボランティアによる活動も活発で、経済効果だけでなく、地域に対する誇りや自信、意欲、健康、そしてつながりが貴重な財産となりました。
 東京大会の文化プログラムは文化庁が中心となって準備が進められていて、大いに楽しみです