平成28年2月 ずっと城下町~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 大河ドラマで脚光を浴びている真田信繁(幸村というのは、後世に書かれた軍記物語などを通じて広まった名前で、生前使われた記録はないそうです)が、戦乱の続くなか、越後国上杉氏の人質となっていたころ、郡山城に入城した豊臣秀長は城下町の建設を進めるとともに、商工業の同業者を集めて営業上の独占権を認めました。
 この特権に関する文書を納めた朱印箱(公文書には朱肉で押した印が使われていました)を本町以下13の町で1か月ごとに持ち回りし、当番となった町は「箱本」として全体の世話をする。これが箱本十三町のはじまりで、自治会組織の草分けと言ってもいいのではないでしょうか。
 その十三町のひとつである豆腐町にこのほど「箱本物語館」がオープンしました。
 ある市民の方のご厚意でお借りした住宅を活用したまちかど博物館で、城下町散策の新スポットとして、多くの方にお立ち寄りいただければと、期待をしているところです。豆腐町といえば、大和の歴史や文化を深く愛し、それらに関する幅広い資料の収集や研究を通じて「大和の水木か、水木の大和か」とまで言われた水木要太郎(十五堂)翁が、明治から昭和にかけて住まいされていた町ですので、「水木十五堂の世界」というコーナーが設けられています。
 これに「奥田木白と赤膚焼」や「暮らしの歳時記~にぎわう城下のまつりと行事」の展示を加えても小さな小さな博物館ですが、新たな出会いや交流の場として、是非ご活用ください。
 合言葉は「ずっと城下町」。過去、現在、未来の物語を紡ぐ場所になればと願っています。