平成28年3月 大仏グラブに思いを乗せて~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 想像をはるかに超える津波の威力を見せつけた東日本大震災から早くも5年の月日が流れようとしています。
 本市では、被災地に対する市民の方々の思いを届けるとともに、東松島市への職員の派遣を始めさまざまな支援活動に取り組んできました。
 一方、市内でスポーツ店を営むUさんは震災の直後から、津波でグラブを流された野球少年のために、全国各地から中古グラブを集め、みんなで磨いて現地に送る活動を重ねてこられました。
 そうしたなか、福島県いわき市の中学校野球部の先生方から、震災5年目を迎えるにあたり未来に向け心がひとつになるシンボルを創りたい、というメッセージが届いたのだそうです。
 これを受け、奈良県といえば東大寺があるから、大仏様が使うサイズのグラブを東北の子どもたちとも力をあわせて製作し、絆を深めようという大プロジェクトがスタートしました。
 大きさは何と3.6メートル。昨年夏には東北の各地で縫い合わせが始まり、8月末には東大寺で行われた仕上げの作業に、県内の子どもたちと私も参加させていただきました。ひと針がつなぐご縁です。
 こうして数え切れない方々の思いがこもる大仏グラブは完成し、平成27年12月26日まさに大仏様の前で奉納の式典が行われました。
 この大仏グラブはお正月を大仏殿で過ごした後、やまと郡山城ホールの入り口正面に飾られていますので、是非一度ご覧ください。
 3月上旬にグラブは再び移動し、震災5年目の3月11日にいわき市でお披露目される予定で、私も現地へ行かせていただく予定です。
 いわき市のいわき高校とは、郡山高校が甲子園で闘ったというご縁もあります。新たなつながりが生まれることを大いに期待したいと思います。