平成28年7月 金魚と暮らす・金魚を育てる文化~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 今から10年ほど前、イタリアのモンツァという町で「金魚鉢禁止令」が制定されました。
 ペットショップの店主に向けた条例で「金魚鉢は丸い形をしているため、その中に入れられている金魚の目には外の景色が歪んで見えるから」。いやはやこんな見方があるのかと笑ってしまいましたが、提唱した人たちは至って真面目でその後ローマでも同様の条例が制定されています。
 一方、わが国で金魚鉢といえば四角くて、全面が透明の水槽が当たり前となり、それこそイタリアで問題となった丸い金魚鉢など、ついぞ見かけなくなったのは何とも皮肉ではありませんか。
 ただ、最近気がついたことがひとつあります。
 というのも、毎年のように産卵するため、わが家の水槽も増え、それでも足りずにこの春まで、古い火鉢に水を張って金魚を飼っていたのですが、藻が繁殖して濃い緑色になった水の中からすくい上げた金魚は、ほかのどの金魚よりも鮮やかでつやのある赤色になっていたのです。
 びっくりしました。
 光があまり届かない火鉢の金魚にはストレスがかからないのでしょうか。
 そうした中、国の地方創生加速化交付金というしくみを全面的に活用し、『全国金魚のお部屋・おうちデザインコンテスト』がスタートしました。テーマは「金魚と暮らす・金魚を育てる文化」。江戸時代の金魚は、たらいなどで鑑賞するのが普通で、上から見て美しい金魚が求められました。
 透明の水槽が普及した今、金魚は横から見るものになっていますが、たまに上からのぞくと金魚の違った世界が目に飛び込んできます。
 金魚と暮らす。心豊かな作品を期待しています。