平成27年3月 現代版「天理軽便鉄道」の開通~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 明治の末、鉄道が国有化される一方で、地域の実態にあわせた小規模な鉄道の建設に対し国から補助金が出されることになり、全国各地で巻き起こったのが「軽便鉄道」建設ブームでした。
 奈良県内には5本の軽便鉄道が誕生。そのうち法隆寺駅の南「新法隆寺」から「安堵」「額田部」「二階堂」「前栽」を経由して終着駅「天理」に至る『天理軽便鉄道』は大正4(1915)年1月に完成しています。石炭と薪を混合した燃料で走る機関車の時速は17キロメートルほどで、1日平均13往復。
 のどかな光景だったのではないでしょうか。
 その後、同鉄道は株式会社大阪電気軌道(現近鉄)に買収され、西大寺・橿原神宮間を走る大軌電車との交点に設けられたのが「平端駅」で、経路の道路沿いに駅のなごりを見ることができます。
 やがて天理・平端間は電化されましたが、平端・法隆寺間には「軌道自動車」(ガソリンカー)が導入され、第二次大戦が終わる直前まで活躍をしていました。
 それから70年余り。10年前、平端駅から安堵に向けて走っていた奈良交通路線バスが廃止されたことを受け、平成24年から「安堵町コミュニティバス」が運行されるようになったのです。
 このバスはもちろん、郡山市内を通るわけで、地元からの要望もふまえて、市内にバス停を設置できないか、安堵町と協議を重ねてきましたが、安堵町側の路線見直し時に実施することで一致。
 この3月14日から西町、額安寺口、額田部北町の3か所で乗車いただけるようになりました。
 現代版「天理軽便鉄道」の開通!復活?
 市内100円、安堵町内まで200円、法隆寺まで300円。
 本市として、運行経費の負担はなく、安堵町のみなさまに心から感謝申し上げる次第です。