平成26年4月 櫓電飾の復活~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 普段、何気なく見たり利用しているものでも、そこに秘められたさまざまな歴史や物語を知ると、また見方が変わったりすることがあります。
 たとえば、市役所前の中堀跡に架けられているコンクリート造りの橋。わずか20メートルの橋なので、あまり意識しておられない方も多いと思いますが、百寿橋と呼ばれ、親しまれてきたこの橋は、明治時代からあった木造の橋を受け継いで昭和11年、地元の百嶋芳松氏の寄付により架け替えられた鉄筋コンクリート製のアーチ橋で、工費は当時のお金で何と3,100円だったといわれています。
 この百寿橋には大きな特徴がありました。
 というのも、橋の四隅にある大きな柱に、お城の建物をイメージした飾りが配置され、電灯がともるようになっていたというのです。
 新聞記事には「櫓電飾(やぐらでんしよく)」とあり、ずいぶん評判になったのではないでしょうか。
 しかし、この粋な飾りもいつの間にか姿を消し、今ではすっかり忘れられてしまっていました。
 そこで何とかこれ復元できないものかと考えていたところ、大和郡山ライオンズクラブの方々が市制60周年の記念にと立ち上がっていただき、去る3月10日、完成した櫓の市への寄贈式が行われたところです。設計図は残っていたものの、造られてから80年近くになる橋のこと、関係の皆様には大変なご苦労をいただきました。
 ここにあらためて、心から感謝申し上げます。
 櫓は御影石(みかげいし)で造られていて、中に納められている「電飾」はまさに最新のLED。
 夜になると自動的に点灯するようになっていますので、特にこれからの季節、その風情をお楽しみいただければと思います。