平成26年9月 金魚の絵手紙~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 この夏、ある友人から絵手紙が届きました。
 金魚すくいのポイの絵に赤い金魚の折り紙が添えてある立体的な絵手紙で「スイスイとポイを逃れてスイミング」と手書きの文字が。
 ちょっとした遊び心に、ほのぼのとしました。
 携帯やスマホで会話をすることが、今や当たり前となっていますが、手書きの文字には想像をはるかに越える力があるのではないでしょうか。
 その友人を通じて初めて知ったのが、今から47年前の夏、茨城県の布川という町で発生した強盗殺人事件(布川事件)です。
 事件後2人の青年が逮捕され、やがて無期懲役が確定しました。しかし、物的な証拠は一つもなく、当初からえん罪が疑われる中、多くの人たちの支援によって平成21年に再審が開始され、同23年5月、ついに無罪判決が下されたのです。
 刑の確定から何と29年にも及ぶ獄中生活を心の面で支えたのが、支援者からの絵手紙でした。
 一枚一枚の絵手紙は、獄中にある身にとって、どれほど大きな励ましになったことでしょう。
 こうした話をきっかけに、市制施行60周年を記念し10月18~19日に行う「金魚サミット」にあわせて『金魚の絵手紙』を広く募集することになりました。金魚をテーマとする絵に、どのような言葉やメッセージを託しますか?
 締め切りは9月18日。どなたに送る絵手紙かをお決めいただき、ふるってご応募ください。
 そういえば、世界一短い手紙の話がありました。『あゝ無情』を書いたヴィクトル・ユーゴーが出版社に送った手紙は「?」の一文字。出版社からの返事は「!」。「売れ行きは?」「絶好調!」。
 すばらしいやりとりではありませんか!