平成25年3月 古代と現代の出会い~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 下ツ道、中ツ道、上ツ道というのは奈良盆地の南北を結ぶ、今なら高速道路並の立派な幹線道路だったそうで、そのうち中ツ道は奈良市内の中心部から南下し、上三橋交差点を通って井戸野町に入り、石川町や白土町を経て天理市櫟本町に抜け、藤原京の東端にある橘寺につながることから、いつしか「橘街道」と呼ばれるようになりました。
 その近くに聖徳太子生誕の地がある橘寺の名は、垂仁天皇の命を受け、不老不死の果実を求めて海を渡った田道間守(たじまもり)が持ち帰った橘の実を植えたことに由来するそうです。
 実際には、わが国の太平洋岸で自生していたようで、漢方薬として珍重されるとともに、香りのよい花や葉が広く親しまれ、万葉集でも数多く詠われました。文化勲章のデザインに橘が使われていることも、よく知られています。
 近年、この橘に注目したプロジェクトが各地で立ち上がっていますが、本市でも有志の方々が、中ツ道の跡に橘を植樹し往時に思いを馳せる一方、業界とのコラボで、橘の実を使ったスイーツなどを開発しようという活動が始まりました。
 この3月3日、その植樹式が行われる予定で、今後の展開が楽しみです。
 本市を走るもう一つの幹線道路下ツ道は、郡山ジャンクション(仮称)の建設現場で発掘が行われ、その一部が保存されることになりました。
 古代の幹線道路と現代の高速道路との出会い。
 全国、どこにもないのでは?新たな自慢の種ができたと、ひそかに喜んでいます。