平成24年7月 鬼日向(おにひゅうが)と郡山城~市長てくてく城下町

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 先日、東京都内で行われた市町村広域災害ネットワーク協定の調印式に参加してきました。
 平成21年1月、本市を含む西日本の8市1町でスタートした「顔の見える」防災協定。全国的にも珍しい取り組みで、今年は姉妹都市の甲府市にも加盟をいただき、福岡県から山梨県に至る16市1町と、相互支援の輪が大きく広がりました。
 いざという時、速やかに動けるようにと、防災担当者を相互に派遣して、実地研修を行う試みなどもすでに始まっています。
 2年前、あるご縁がきっかけでこの協定に加盟いただくことになったのが愛知県の刈谷市でした。そのご縁とは、豊臣秀長によって城下町が整えられた郡山城が、豊臣家の滅亡後も存続を認められ、新たに藩主に任じられた水野勝成(かつなり)が、実は刈谷の初代藩主であったというものです。
勝成は徳川家康のいとこ。交通の要衝ということも含め、さまざまな観点から、江戸幕府は郡山城に重きを置いたのではないでしょうか。
水野勝成が郡山城の再興に力を尽くした結果、郡山藩政は安定し、幕府の信任が厚い大名が幾代も続いた後、柳澤氏の治世が幕末まで続きました。
 調印式の際、刈谷市長から『水野勝成物語』というDVDをいただきました。日向(ひゆうがの)守(かみ)に任じられ、刈谷を守るためには、喜んで鬼になりましょうと活躍した勝成は鬼日向と呼ばれ、ふるさとの誇りとして今も大切にされているそうです。
 そしてご縁といえば甲府市。話題となっているリニア中央新幹線の中間駅は、甲府市南部に設置されることが決まっていますが、これからもさまざまなご縁、つながりを大切にしたいものです。