平成23年5月24日 先人の知恵

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 悪夢の3月11日からやがて3か月。被災地の状況は日々変化し、支援の内容もこれまでの消防や給水、物資や義援金の送付に加えて復旧・復興に関する具体的な作業や、医療、心のケアなども大きな課題になっていて、5月上旬には、本市の保健師が気仙沼市で支援活動を行いました。

 一方、震災直後のある市民の方による救援活動がきっかけとなり、5月9日から職員2人を宮城県の東松島市に派遣することになりました。
 要請をいただいた支援の内容は、被災したことを証明する事務に関連して、損壊した家屋の調査を現地で行うというもので、連日、チームを組んで作業にあたっています。
 東松島市は仙台市の北東に位置し、南に有名な特別名勝「松島」の一角を望む風光明媚な地域ですが、今回の津波で大きな被害がもたらされました。一日も早い復旧・復興を願うとともに、この新たなご縁、絆を大切にしながら、息の長い支援、交流を重ねていきたいと考えています。

 ところで、この震災で沿岸部を走る鉄道は甚大な被害を受けましたが、江戸時代の街道、たとえば仙台平野の奥州街道を調べてみると、道筋の大部分と宿場町からわずかなところで、津波の先端が止まっていることがわかったと、過日の新聞報道にありました。400年から500年おきに大津波に見舞われてきた経験に学び、みごとに被害を免れる場所を選んだ先人の知恵にはびっくりします。

 災害は時と場所を選びません。災害は、忘れた頃にやってくると、語り継がれてきたことをあらためてかみしめようではありませんか。