平成23年9月30日 自然とのたたかい

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 1週間近くにわたって居座り続けた台風12号は、紀伊半島南部に大きな被害をもたらしました。
 被災地の皆様に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、行方不明の方々が一刻も早く見つかることを祈るばかりです。
 本市としても消防士の派遣や義援金の募集を始めましたが、どのような形で支援や協力ができるか、それぞれの地域の状況や要望を伺いながら、判断をしていきたいと考えています。
 ところで、明治22(1889)年8月18日から20日にかけて、今回とほぼ同じ地域が暴風雨に襲われ、なかでも十津川村では大規模な山くずれにより、全体の4分の1にあたる610戸の家が壊されたり、流されたりしたと伝えられています。168人もの人たちが亡くなりました。
 しかも3週間後に再び暴風雨が吹き荒れます。
 そうした中で浮かび上がったのが、北海道への移住計画だったのです。
 今から122年前。交通も不便です。ふるさとを離れるというのは、本当に辛い決断だったでしょう。しかし、早くも10月には600戸の2489人が次々にふるさとをあとにし、北海道の樺戸郡(かばとぐん)というところに入って、寒さや雪に苦しめられながら、大地を開拓していきました。ジャガイモなどの収穫が軌道に乗るまで4年、5年もかかったそうです。
 この地域に誕生したのが新十津川村(現新十津川町)で、残された十津川の人々も苦しみを乗り越え、十津川村として発展をしていきました。
 自然と向き合い、たたかってきた先人の苦労があって、今日があるということを私たちは決して忘れてはなりません。もちろん本市も含めて。
 義援金等、ご協力いただければ幸いです。