平成22年6月28日 西公園を歩いた馬

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 先日、ある方の紹介で本市出身の福山清造さんに初めてお会いし、大変感動しました。

 現在、スペイン在住の福山さんは1954(昭和29)年のお生まれで、9歳の時、テレビに映し出された黒い馬の姿に強い衝撃を受け、すっかり魅せられてしまいます。そこで、新聞配達のアルバイトを始め、何と自分の馬を手に入れてしまうのです。
 乗馬の練習場になったのが郡山城跡や西公園。そういえばと、当時のことを懐かしく思い出す同級生や近所の方も確かにおられました。
 その後、20代初め、スペインに拠点を置いた福山さんはイギリス、フランス、スイス、ドイツで馬に携わる一方、韓国のサムスングループが主宰する馬術チームへの加入を認められ、高名な指導者のもと、ヨーロッパやアメリカなどで毎週のように国際試合に出場するとともに、ソウルオリンピックや世界選手権などでも活躍。
 サムスンを離れた後はフランスを経てスペインに戻り、5頭の馬たちと暮らしながら、各地に馬のクリニックを開設しておられます。
 最初にお会いした時、福山さんの口から出た言葉は「義理と人情」。これにはびっくりしましたが、馬には人間の気持ちがよくわかる、要求されていることが理解できて納得がいけば、馬は自分から動いてくれる、人も馬もリラックスして運動することを楽しんでほしい、といったお話を伺っているうちに、馬に対する愛情の深さと、馬に接する人間のあり方、あるいは生き方そのものに対するさまざまな思いが伝わってきました。
 再会を約束して別れましたが、福山さんにとって思い出深い郡山とのご縁、つながりを私たちも大切にしたいものです。