平成22年11月30日 橋守(はしもり)

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 人や車が川や谷などを乗り越えるために欠かせないのが橋。アメリカでは、1980年ごろまでその維持管理に十分な予算が投入されなかったため、老朽化が進んだり、実際にある日突然、壊れて落ちてしまうという事故が起こり、大きな話題となりましたが、近年わが国でも関心が高まり、橋の点検や長寿命化の計画づくりが始まっています。
 本市も同様で、市内にある計294橋のうち、平成21年度、まずは15メートル以上の30橋について点検を実施し、その結果に基づき、国の補助を受けながら平成24年度以降、順次整備を行う予定です。
 因みに本市で最も長いのは、やまと郡山城ホールの北側を東へ走り、JRの線路を越える跨線橋(こせんきよう)で長さ341.3メートル。短い方は、市役所の南側にある大手橋ほか16橋の2.0メートルだとか。
 しかしながら悩みの種は、点検や補修工事などの維持管理にかかる経費の確保であり、小中学校校舎の耐震化工事は今年度で完了するものの、高度成長期前後に建てられた多くの施設の維持管理に要する経費とともに、計画的に取り組まなければならない課題であると考えています。
 ところで、数限りない橋を抱える旧国鉄には、昭和37年まで「橋守」というしくみがあり、橋の近くに代々家族で住み、毎日点検をしながら補修や塗装替えなどの専門的な仕事に携わる人たちがいました。その橋のことを誰よりも知っている人たちにあたたかく守られてきた鉄橋の数々。
 できるだけお金をかけずに目の前にあるものを守り続けたきた先人の知恵はみごとです。