平成21年3月24日 「稗田阿礼と郡山」

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田 清

大和郡山市長

 本誌が皆様のお手元に届くころ、郡山城址の桜はそろそろ見ごろとなっているのではないでしょうか。
 春本番を告げる『お城まつり』も来年は五〇回という大きな節目を迎えます。平城遷都一三〇〇年祭を彩る行事のひとつとして、さまざまな工夫を通じ、郡山の魅力を広く知っていただく機会にしたいと考えています。
 ところで、郡山にはもうひとつの一三〇〇年があります。というのは、わが国最古の歴史書とされる『古事記』が、本市出身の稗田阿礼によって伝えられ、完成したのが平城遷都から二年後の西暦七一二年なのです。
 そこで二〇一二年、つまり平成二十四年を<『古事記』一三〇〇年紀>と位置づけ「東洋のアンデルセン」などと讃えられてきた阿礼が伝えた伝説や物語の世界を通じて、『古事記』にゆかりのある全国各地の地域や都市との交流を図るとともに、この物語に込められた先人の思いや、古代の文化、あるいは一三〇〇年という、長い時を経てよみがえる新たな発見や驚き、感動を広く国内外に伝え、そして未来につなぐ基地として、ふるさと郡山を大いにアピールしていきたいと考えています。
 今年から来年にかけては「奈良の都を支えた郡山」として、いろいろな角度から平城遷都一三〇〇年祭事業に参加・参画しますが、平行して、新年度の早い時期に『古事記』一三〇〇年紀に関する実行委員会を立ち上げ、準備を始める予定ですので、ご意見、ご提言をお寄せいただければ幸いです。