平成20年8月25日 「ふるさと」

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田 清

大和郡山市長

 「もし大和郡山で少年時代を過ごさなかったら?うーん、漫画家にはなっていなかっただろうなあ」「大和郡山が僕の原風景」(朝日新聞平成七年一月一日掲載記事より)
 漫画家の赤塚不二夫さんが、七十二歳の若さでお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈りいたします。
 旧満州で生まれた赤塚さんは戦後、行方がわからなくなった父親を残して帰国し、母親の実家があった大和郡山の矢田口で、小学校五、六年の多感な時代を過ごしました。数々の愛すべきキャラクターを生み出した赤塚さんですが、その多くが当時の遊び仲間やまわりの人たちからヒントを得たとも言われています。
 子どもたちの格好の遊び相手にある野良猫がいました。戦い?の後、勇敢にも子どもたちをにらみつけるその猫がモデルとなって生まれたのが「ニャロメ」。郡山は「ニャロメ」誕生の地と宣言してもよさそうです。
 東京にある株式会社フジオ・プロダクションの方によれば、町には占いをする人がいて、お父さんの消息を心配する赤塚少年に、いつも「生きているよ!」と言ってくれたことが何よりも嬉しかったとか。実際に父親はシベリアから奇跡の生還を果たし、今度はその実家がある新潟へ転居することになりますが、家族の絆、ふるさとの大切さをあらためて教えてくれているのではないでしょうか。
 まちづくりのヒントが隠れているようにも思います。