平成18年9月19日 『小さなダム』2

更新日:2021年03月19日

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市長てくてく城下町
上田清

大和郡山市長

 先日、国土交通省主催の「大和川フォーラム」で、流域の市町村代表の一人として発言の機会があり、次のような提言をしました。

 兵庫県淡路島の南東、紀淡海峡に面して「成ケ島」という美しい島があります。島の人々が抱える大きな悩みがゴミ。実は、大阪湾を流れる時計回りの海流に乗って、埋め立て護岸ではなく自然海岸や自然の渚が残る「成ケ島」に大量に漂着するというのです。

 最近、このゴミの中には本市を含め奈良県内で発生したゴミも混じっていることがわかりました。佐保川などの支流から大和川を下り、大阪湾の海流に乗ってはるばる「成ケ島」に漂着しているわけで、あらためて川に境界はないということを知らされた思いです。
 治水にしても利水にしても、広域で考えることがいかに大切か。

 佐保川の改修については国が大いに力を入れていただいていますが、いわゆる「減災」の観点からため池や自然地形を利用した治水事業にも取り組んでほしい。また、本市では大雨などで一時に川に流入する水を減らすため、雨水簡易貯留槽(雨水タンク)を『小さなダム』と位置づけ、その購入に対して補助金制度を導入している。広域で設置してこそ効果があるのでご支援を願いたい。

 以上が発言の趣旨です。小さなダムについては以前に書きましたが、河川の改修だけではなく、身近な工夫や知恵を結集して水害を防ごうという総合治水のひとつとして、ご理解ご協力をお願いいたします。もちろん、「成ケ島」の方々の思いも忘れてはなりません。