令和2年度 施政方針

更新日:2021年03月19日

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以下は、令和2年第1回大和郡山市議会定例会での令和2年度市長施政方針の全文です。

  • 概要
  • 主要施策
    • 「協働のまち」
    • 「子育て・教育」
    • 「健康・福祉・生きがいづくり」
    • 「安全・快適」
    • 「産業・環境」
  • 令和2年度の予算について

本日ここに、令和2年度の市政運営に対する私の所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 昨年の改元に伴い、30年余り続いた「平成」から「令和」になって初めての施政方針となります。
「昭和」、「平成」という時代を通して先人によって築きあげられました、まちの歴史、文化、そして、魅力をしっかりと継承しながら、この新たな時代の幕開けを市民の皆様とともに迎えることができましたことを心から喜んでいるところでございます。

 昨年は、初の自国開催となったラグビーワールドカップに沸き、半世紀以上の時を経て開催されます東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への機運が高まる中で、大和郡山市におきましては、香港・シンガポールのホストタウンとして両国の競泳チームの事前合宿のサポートをし、交流を深めてまいりました。
 新年度におきましては、奈良県内で行われますオリンピック聖火リレーの奈良・大和郡山ルートのスタート地点にも選定され、市を挙げてこの世界的なスポーツの祭典を盛り上げていきたいと考えております。
 また、春を彩る「大和郡山お城まつり」が第60回、同時開催の「金魚品評会」が第100回の開催となるほか、JR大和小泉駅は開業100周年を迎えるなど、記念すべき節目の年と重なることから、令和2年度を未来への新たな一歩と捉え、更なるまちの発展に向けて全力で取り組んでいく所存でございます。

 さて、日本の経済に目を向けますと「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針)」等では「我が国の経済は、長期にわたり回復を維持しており不透明な国際情勢のもとにも関わらず、雇用情勢・所得環境はともに好調を維持しつつ、GDP(国内総生産)における名目、実質成長率は、過去最高規模に達し、その先行きも各種政策の効果を通じて同基調の維持継続していくことを期待している。」との見解が示される一方で、「地方におきましては、依然、厳しい財政状況の中、東京圏一極集中及び少子高齢化などにより加速する人口減少を見据えた更なる行財政改革の推進と新たな発想と創意工夫による国、地方を通じた歳出抑制と経済成長の取組みが必要である」と述べられております。

 これを受け、大和郡山市におきましては、第4次総合計画に掲げておりますまちの将来像‘あふれる夢と希望と誇り暮らしてみたくなる元気城下町(やまとこおりやま)’の実現に向けて、着実に各種施策・事業の展開を図り、複雑多様化する市民ニーズに迅速かつ適正に対応していけるよう、市民の皆様とともに「知恵」を出し合い、「創意工夫」を重ねながら、次世代へつなぐ持続可能な活力あるまちづくりに取り組んでいるところでごさいます。新年度におきましても、本格化する市役所新庁舎の建設をはじめ、近鉄郡山駅周辺地区のまちづくり基本計画や近鉄平端駅周辺地区のまちづくり基本構想の策定、郡山城跡の国史跡指定に向けての総合調査など将来を見据えた事業の実施や、(仮称)平和認定こども園の建設、市内の民立幼稚園等の建設支援、公立幼稚園の空調整備、小学校トイレ全面改修事業など、子どもたちの教育・保育環境の充実、高齢者の外出支援の仕組みづくりなど様々な分野におきまして、今、直面している課題等に真正面から向き合いながら市民目線に立ったまちづくりを進めてまいります。
 なお、昨年末から世界的に感染が拡大している「新型コロナウイルス」による肺炎は、日本国内においても多大な影響を及ぼしておりますが、本市におきましては、疾病等にかかる対策行動計画に基づき、関係機関との情報の共有を図りながら、市民生活の安全の確保に万全を期してまいります。

 令和2年度の予算編成にあたりましては、今回の通常国会で経済対策として可決されました補正予算を活用し、一部令和2年度当初予算で計上を予定しておりました事業を、令和元年度一般会計補正予算において前倒し計上させていただき、国等の補助金をはじめ市債や基金等を有効に活用しながら、補正予算と当初予算を一体として効率的で効果的な財源配分による予算編成を行っております。

主要施策

 それでは、令和2年度の主要施策につきまして、第4次総合計画の5つの施策大綱をもとに、順次、ご説明申し上げます。新規施策を中心に、令和元年度補正予算に前倒して計上した分を含めてご説明いたします。

協働のまち

 最初に、〈協働のまち〉でございます。

 まず、「新庁舎の建設」につきましては、平成29年度の市庁舎建設基本計画の策定から始まり、基本設計、実施設計を経て、去る1月24日には起工式が執り行われ、無事、着工に歩み出すことができたところでございます。
現在の市庁舎は、昭和の著名な建築家で日本武道館や京都タワーなどの設計で知られる、故 山田 守氏の設計によるもので、氏の代表作のひとつに数えられ、昭和36年に建築されて以来60年近くにわたり本市の行政拠点としてまちづくりを支え続けてきた歴史ある庁舎でごさいます。
 今春から、現庁舎の一部の解体が進められ、ここで過ごす時間も残り僅かになってまいりましたが、これまで市民の皆様とともに現庁舎で積み重ねてきました日々を心に刻みながら、その姿を記憶に残し、現庁舎への感謝の気持ちを申し上げたいと思います。
 今回、新たに建設いたします庁舎につきましては、現庁舎のモダンな雰囲気を取り入れつつ、城下町の町家のイメージで設計し、「大和郡山らしさが随所に感じられる、そして、より多くの市民の皆様に愛され、親しまれる庁舎」を目指してまいります。
 令和2年度におきましては、基礎部分の工事に着手し、これから日を追うごとに工事の進行が皆様の目の前にかたちとなって現れてまいりますが、この新庁舎に対しましても、これから訪れます新たな時代をともに歩んでいけるという大きな期待を抱きながら、その完成を心待ちにしているところでごさいます。
 市民サービスの拠点、市民のふれあいの拠点、そして、なによりも防災拠点となる新庁舎棟は、令和4年新緑香る頃の供用開始に向けて、また、観光客や来庁者の皆様が利用できる交流棟は、令和5年度の完成を目指し、積極的な情報発信に努めながら、職員一同、一丸となって取り組んでまいりますので、議員及び関係者各位におかれましては、より一層のご協力、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 次に、「第4次総合計画 後期基本計画」及び「第2次大和郡山市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定についてでございます。
 令和2年度は、「第4次総合計画 前期基本計画」の最終年度にあたり、これまで実施してまいりました施策・事業について、今一度、検証した上で、本市が目指す将来像の実現に向けて、新たに令和7年度までの5年間を計画期間とする「後期基本計画」の策定に取りかかります。それに併せ、少子高齢化等による人口減少とまちの活性化に向けての「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定を同時に進めていくことで、より実効性のある計画の策定を目指してまいります。
 また、本市への移住・定住の促進を図るべく人口減少への対応といたしまして、引き続き、本市のPR動画の上映、Facebookの活用、移住・定住フェアへの参加など「シティプロモーション事業」を継続実施し、まちの魅力を広く発信してまいります。
 更に、市ホームページの内容を一新し、広報・広聴・コミュニケーション媒体としてより多くの皆様にとって使いやすく、分かりやすいホームページを目指してまいります。現在の本市の公式ホームページは、平成22年度以来、まちの情報発信ツールとしてその機能を担ってまいりましたが、情報量の増加、スマートフォンの普及等、変化する社会情勢に応じて誰もが提供される情報や機能を支障なく利活用できるように、ふるさと応援基金寄附金を財源にリニューアルするものでごさいます。

 一方、消費者行政につきましては、特殊詐欺等による犯行手口の巧妙化が進み、依然として被害状況は高水準で推移しており、消費者センターの果たす役割は、ますます重要性を増し、今後も引き続き、地域住民の皆様や関係機関との綿密な連携のもと、その相談サポート体制の充実を図ってまいります。

子育て・教育

 次に〈子育て・教育〉でございます。

 昨年1月の施政方針演説におきまして安倍総理は「平成の30年間で出生率は1.57から1.26まで落ち込みながらも‘それでも子どもを産みたい、育てたい’と願う方々の希望を叶えることができれば、出生率は1.8まで押し上げることは可能である。」と述べられました。一年を経て去る1月20日の施政方針演説におきましても、再度「深刻さを増す少子化の問題に真正面から立ち向かい‘希望出生率1.8の実現’に向けてより積極的に取り組んでいく。」と力強く述べられております。
 これを受けて、令和2年度におきましては、全国的に一年間を通して幼児教育・保育の無償化の実施が進められ、本市といたしましても、この機を逃すことなく子どもを産み、育てやすい生活環境づくりを推進し、子ども・子育て支援体制の整備及び学校・幼児教育の更なる充実に向けて全力で取り組んでまいります。

 まず、子育て支援の充実についてでございます。本市の待機児童数が、毎年20名前後ある現状におきまして、平成30年4月の「矢田認定こども園」の開園に続き、昨年10月には「やまとこども園 mimi(ミミ)」が、また、今年4月には「郡山西保育園」の建替えが完了いたします。
令和2年度におきましては、現在建設中の「(仮称)平和認定こども園」に加えて、新年度から施設整備支援を進めてまいります「カトリック幼稚園」、「いずみ保育園」の3園が、認定こども園として、令和3年4月に同時開園することになります。
 また、「昭和保育園」においては、これまでの市社会福祉協議会の運営から民間運営による認定こども園への転換を図ってまいります。これらの事業が全て完了すれば、保育定員は約200名の増員となり、待機児童の問題は、段階を経て改善に向かっていくことと大いに期待しているところでごさいます。

 次に、放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育についてでございます。近年、夫婦共働き及びひとり親家庭の増加等、保護者の皆様の就業形態の変化などによる子どもを取り巻く環境は、日々複雑多様化しており、放課後において、子どもたちが安全で安心して過ごせる生活空間の確保は、本市のみならず国全体の喫緊の課題でございます。
 そこで、学童保育所の利用児童数が急増している郡山北小学校につきましては、令和3年4月の開所に向けて第3・第4学童保育所の建設を進めていくとともに、児童数の増加が見込まれる学童保育所におきましても、小学校校舎内の余裕教室を活用し、放課後における子どもたちが安心して過ごせる生活空間の確保に、より積極的に努めてまいります。
 また、学童保育所の運営につきましても、家庭、地域の皆様との連携を図りながら、変化する社会情勢による多様なニーズに柔軟に対応し、将来を見据えた仕組みづくりに取り組んでまいります。

 次に、学校及び幼児教育の充実についてでございます。公立幼稚園の空調整備につきましては、市内の全公立小・中学校への整備に続き、令和2年度中の稼働を目指し整備に着手し、保護者の皆様が安心して子どもを預けられる幼稚園の運営に努めます。また、小学校におけるトイレ改修につきましても、今回、5校分の国庫補助金の採択を受けたことにより関連経費を令和元年度補正予算に計上し、令和2年度への明許繰越措置を経て、年度内の完成に向けて全力で取り組んでまいります。
また、国が推進するGIGAスクール構想の実現につきましては、子どもたちに先端技術等を駆使した快適な教育環境のもと、質の高い学習が受けられますよう全小・中学校の高速通信ネットワークの整備を進め、国の補助金等を活用しながら、今回の補正予算に計上し、実施してまいります。なお、端末機につきましては、ネットワーク環境が整備された後、年次的に配備を予定しております。

 平成30年度より継続しております外国語指導助手の拡充につきましては、令和2年度から新学習指導要領により小学校3、4年生では「外国語活動」が、小学校5、6年生では教科として「外国語」が導入され、令和元年度の1名増員に加えて、令和2年度は更に1名増員し、合わせて4名体制で小・中学校の英語指導の充実を図ってまいります。学校図書館司書配置事業につきましては、平成28年度より取り組んでおります学校図書館への支援を継続し、更に1名増員し、子どもたちの読書環境の充実に取り組んでまいります。

 本市におきましては、これからも、新たな時代を担う子どもたちの健全な育成に向けて、ソフト・ハードの両面から更なる教育環境の充実に努めてまいります。

健康・福祉・生きがいづくり

 次に、〈健康・福祉・生きがいづくり〉でございます。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に際しまして、今年3月26日に‘震災復興への願いから’福島県「Jヴィレッジ」を皮切りに、全国各地で聖火リレーが行われます。先に申し上げましたとおり、本市におきましても、4月13日、元気城下町バスパークをスタートに、25名の聖火ランナーが聖火を引き継ぎ平城宮跡歴史公園までの約6キロメートルを駆け抜けます。また、昨年度に引き続き、香港・シンガポールのホストタウンとして両国の競泳チームをサポートし、選手の皆様との交流を通じて、世界中が注目する4年に1度のスポーツの祭典を市を挙げて盛り上げていきたいと考えております。

 加えて、本市におきましては、パラリンピックの開催を契機に、県内で初めて「共生社会ホストタウン」に登録されました。共生社会の実現に向けたユニバーサルデザインのまちづくり、心のバリアフリーの推進の取組みの一つとして、車いすを利用する方々の外出時の負担軽減を図るため簡易スロープ購入補助制度を導入し、公共施設等のバリアフリー化に併せて、人にやさしいまちづくりを推進してまいります。
 更に、新たな取組みといたしまして、高齢者の皆様の社会参加を促し、生活を支援していくための外出支援への移動手段の確保について調査、研究し、その仕組みづくりに努めてまいります。その運用につきましては、小学校区単位で行政が地域へ自動車を貸与し、地域の皆様の「共助」の取組みによって支えられる、地域の実情に合わせた制度設計を行ってまいります。

 次に、医療体制の充実についてでごさいます。
 現在、市内におきまして小児科医師が不足している状況にあり、令和2年度より市内の基幹病院でもあります大和郡山病院に対し、夜間、休日等の小児科の診療時間の拡大等への補助を実施し、小児科医療の充実を図ってまいります。
 加えて、既に令和元年度補正予算でご承認いただきました「骨髄移植ドナーへの支援」や、従前の「一般不妊治療への助成」につきましても、引き続き実施してまいります。
 また、人権文化の啓発につきましては、性的マイノリティー(LGBTQ)をはじめ、一人ひとりの多様性を認め合い、誰もがいきいきと暮らせる共生社会の実現に向けて、より積極的に取り組んでまいります。

安全・快適

 次に、〈安全・快適な暮らし〉についてでございます。

 まず、「災害に強いまちづくり」につきまして、近年、多発する大規模な地震や風水害などの自然災害に対し、常日頃からの個々の危機管理意識と災害への事前の備えの重要性が高まっております。市民の誰もが安全で安心して暮らせるまちづくりを推進していくためには、まずは「自らの身の安全は、自らが守る」という自助の取組みに加えて、「自分たちの地域は、地域のみんなで守っていく」という共助の取組みとの連携を、そして、これらを支える公助の取組みが一体となってこそ、はじめて災害に強いまちづくりが実現すると考えております。
 そこで、公助の取組みの一つとして、災害発生時に最も重要な情報収集手段でもあります「防災行政無線」につきまして、令和2年度に、現状のアナログ方式からデジタル化を進め、通信の高度化を図り、災害時におけるより強固な通信体制の構築に取り組んでまいります。加えて、本市が被災団体になることを想定した災害廃棄物への対応策として「災害廃棄物処理計画」の策定にも着手してまいります。
 一方、治水対策として、10年に1度の確率で発生する洪水を想定した蟹川流域の整備手法の検討を進めますとともに、災害時の緊急輸送道路の重要橋梁であります市道北廻り線の郡山大橋の耐震補強工事につきましても、令和2年度の完成を目指し、取り組んでまいります。消防・救急体制の充実につきましては、建設から20年以上が経過し、老朽化が進んでおります大和郡山市防災センターの改修に向けた設計業務に着手します。加えて、消防団庫の耐震化につきましても、年次的に継続実施し、令和2年度では、西田中分団団庫の耐震改修を進めてまいります。

 次に、「秩序とゆとりのある都市空間づくり」についてでごさいます。
 近鉄郡山駅周辺のまちづくりにつきましては、令和元年度に奈良県と締結いたしました基本協定のもと、より具体的なビジョンとして基本計画の策定に取り組み、今後、「城下町の風情を活かし、いきいき暮らせるまちづくり」を基本コンセプトに周辺商店街や地域の皆様とともに、まちの特性を活かした空間づくりに努めてまいります。
 そこで、全国的にも問題になっております空き家対策として、‘公民連携’をキーワードに昨年10月から運営する「空き家バンク」と、更には今ある地域資産を有効に活用するため、県内で初めて開催した「リノベーションスクール」との連携を図りながら、活力あるまちづくりを推進してまいります。
 とりわけ「リノベーションスクール」に参加した若者からは、空き家対策を含むこれからのまちづくりに関するさまざまなヒントを得ることができ、今後の展開に強く期待しているところでございます。

 郡山城跡につきましては、先に改定いたしました「郡山城跡公園基本計画」に基づき、歴史ある遺構として、また、まちの歴史の学びの場として、その保全活用に取り組んでまいります。令和2年度におきましては、令和4年度の郡山城跡の国史跡指定を目指し、各種調査を進めますとともに、将来的には、郡山城跡周辺を歴史公園として段階的に整備し、同時に柳沢文庫によります極楽橋の復元も進められることで、より一層‘城下町 大和郡山’ならではの空間を創出していきたいと考えております。
 一方、本市の鉄道交通においては、近鉄郡山駅と同じく急行停車駅であります近鉄平端駅につきましては、奈良県中央卸売市場再整備基本計画等を鑑みますと、今後、その重要性が高まってまいります。このたび、近隣住民の皆様からのご要望もあり、駅を核としたまちづくりについての検討を重ね、その基本構想の策定に着手してまいります。

 次に、「公共交通網の利便性を高め、市民が快適に移動できる環境づくり」についてでごさいます。
 現在、県内多くの市町村よりご支持いただいております、リニア新幹線中間駅誘致活動につきましても、市域はもとより、県内全域、ひいては紀伊半島全体を見据えた未来へのまちづくりの観点で、引き続き、活動してまいります。
 また一方で、安全な交通環境の整備につきましては、今回、国の補正予算を活用し、令和元年度に前倒しして実施いたします未就学児の移動経路の安全対策をはじめ、通学路対策及びバリアフリー整備を継続実施していきますとともに、都市計画道路城廻り線街路事業及び市道伊豆七条高野線道路新設改良事業につきましては、事業用地の確保を進め、更なる事業の展開を図ってまいります。

 住環境の整備につきましては、これまで20年余りを費やし実施してまいりました片桐東団地建設事業が、令和元年度のE棟の完成をもちまして、無事、終結することとなりました。今後は、年次的に昭和56年以前の旧耐震基準で建設された中層団地の長寿命化を図ってまいります。

 次に、上下水道事業についてでございます。
 水道事業につきましては、老朽配水管の布設替えや昭和浄水場の耐震診断を実施するほか、未普及地域解消事業といたしまして、矢田町榁木地区に管路の新設を行う予定であり、市全域において健全な経営と安全で良質な水の安定的な供給に努めてまいります。
 下水道事業につきましては、令和2年度は、マンホール蓋取替工事や管渠カメラ調査及び市内15工区において管渠整備を進めてまいります。今後も事業の効率化を推進し、快適な生活環境の確保に努めてまいります。

産業・環境

 次に〈産業・環境〉についてでございます。

 まず、商工業の振興につきましては、去る1月19日に市内の産・官・学が連携し、昭和工業団地内の企業を主として地域の子どもたちを対象とする職場職業体験フェア「おしごとフェスタ」が試行的に開催され、好評を得たところでございます。
令和2年度におきましても、昭和工業団地協議会との連携のもと、更に規模を拡大し、将来を担う子どもたちに職業観、仕事観を養ってもらうとともに、それぞれの企業が有する「ひと・もの・情報」の魅力を広く発信してまいります。
 また、地域の商店街の活性化につきましては、令和2年度も引き続き「商店街まちなかにぎわい創出事業」を実施し、柳町商店街の「柳神くん祭」、「柳の市」、筒井プラザ商店街の「郡山筒井バル」など各商店街の自主的な取組みを支援してまいります。

 一方、地場産業の振興につきましては、毎年8月開催の「全国金魚すくい選手権大会」を通じて、令和元年度に引き続き、世界に向けた‘金魚のまち、大和郡山ブランド’の発信に取り組みます。加えて、地場産品の開発といたしまして、令和元年度より実施の「いちじくワインプロジェクト」を推進し、試行錯誤を重ね出来上がった大和郡山市産ワインの販売ルートの確立に努め、より多くの皆様にご賞味いただけますよう支援してまいります。
 また、本市伝統の靴産業につきましては、このほど市内の靴製造業者が「奈良発靴プロジェクト」を立ち上げ、新ブランド「KOTOKA(古都靴(ことか))」の製作、情報発信、販売を目指す取組みを進めておられます。本市といたしましても、靴工業団地地区の未来に向けた発展を図るため、地区計画の策定を進めるとともに、従来からふるさと納税の返礼品としても大変好評を得ております、大和郡山の靴のPRに努め、伝統ある地場産業の活性化に取り組んでまいります。

 続きまして、観光の振興についてでございます。
 今春、「大和郡山お城まつり」が第60回、同時開催の「金魚品評会」が第100回の開催となり、そのような中で、開館2周年となる「町家物語館」では、昨年秋に、町家カフェがオープンし、また一つ、城下町におもてなしの空間が加わることとなりました。人と人との出会い、交流を通じ、より一層、まちににぎわいが創出されていくことを大いに期待しているところでございます。
 また、「郡山城跡の天守台展望施設」の活用につきましては、令和元年度では、これまでの金婚式、観月会をはじめ、奈良工業高等専門学校との連携によるプロジェクションマッピングなどの様々な企画を実施してまいりましたが、令和2年度におきましても、引き続き、天守台を活かした幻想的な空間を演出していきたいと考えております。
 一方、「矢田寺あじさい祭り」の交通対策といたしまして、現在、奈良県と共同で「(仮称)矢田観光駐車場」の整備を進めているところでございます。市による用地買収を終えた後、奈良県による工事が進められる予定であり、将来的には、来訪者の皆様へのおもてなし空間としての整備を検討していきたいと考えております。

 最後に、農業の振興についてでございますが、自然災害等による被災の影響の大きい施設への被害軽減等を図る「震災対策農業水利施設整備事業」の実施や、老朽化が進む施設の長寿命化を進める「農業水利施設診断事業」及び農道等の整備による生産性の向上を図る「農業基盤整備促進事業」の継続実施を通じ、営農に関わる地域資源の質的向上に向けて、今回の補正予算と令和2年度当初予算をあわせ一体的に事業執行してまいります。

以上、施策体系により、令和2年度の主要施策についてご説明を申し上げました。

令和2年度の予算について

 続きまして、令和2年度予算の全般的な事項について申し上げます。

 まず、歳入では、根幹でもあります市税収入のうち、個人市民税、固定資産税、軽自動車税は微増であるものの、法人市民税の一部が国税として法人地方税に振り替えられたことから市税収入全体におきましては、前年度と比較しまして、わずかな減収見込みとなっております。
 一方、歳出では、庁舎建設事業費の減少及び片桐東団地建設事業の終了等により普通建設費は大幅な減になったものの、社会保障関連経費である扶助費及び会計年度任用職員制度の導入による人件費等の増加が見込まれるため、歳入、歳出のバランスをより一層意識した予算編成に努めてまいりました。

こうして編成を行いました令和2年度の予算規模は

  • 一般会計:312億8千万円
  • 特別会計:207億9千29万6千円
  • 公営企業会計:75億1千865万3千円
  • 全会計総計では:595億8千894万9千円

でございます。

 一般会計につきましては、前年度に比べ28億4千万円、8.3%の減の予算編成となりますが、これは、先ほども述べましたとおり、大規模事業の完了等により投資的経費が大幅に減少したことが主な要因でございます。

 大和郡山市におきましては、冒頭で申し上げたとおり「第4次大和郡山市総合計画」に基づき、まちの将来像である‘あふれる夢と希望と誇り暮らしてみたくなる元気城下町(やまとこおりやま)’の実現に向けてまちづくりに取り組んでまいりました。「令和」という新しい時代が幕を開け、令和2年度は、本計画の前期基本計画の最終年度でもあり、次の5ヶ年を見据えた、いわゆる、新たなまちづくりの指針を見直していく年でもあります。
 気持ちを新たに、まちの更なる進展と将来像の実現に向け、私をはじめ職員一人ひとりがこれから訪れます新しい時代を市民の皆様とともに歩み、築いていく、そのような強い決意のもと、全力でまちづくりに取り組んでいく所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 最後に、議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援、ご協力を重ねてお願い申し上げ、令和2年度の施政方針とさせていただきます。

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