まちかどレポート431

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート431 郡山城石垣整備工事現地見学会

(まちかどレポーター 丸山)

郡山城石垣整備工事現地見学会(平成27年11月16日掲載)

11月14日、午後2時頃に郡山城天守台に行ってきました。この日は、石垣整備工事現地見学会が実施されていました。先月10月に解体工事を終えたところです。

足場の設置された石垣の写真

解体する築石に一つ一つ番号を付けた番付、積み上げの参考になる基準線の墨打、丁張りを終えて、足場が組み上がった天守台の東面です。

取り外した築石の周りに集まる人々の写真

取り外した築石。自然石(野面積)で大きさと形は様ざまでした。四百数十年前にこんな大きくて不揃いの築石を空積み工法で組み上げた当時の石工の技量に感心しました。素晴らしい匠の技ですね。

今回の修復は天守台の北西の角を中心に北面約45平方メートル、西面50平方メートルが対象だそうです。
四百数十年前に、形や大きさの多様な築石、石仏・墓石・宝篋印塔・五輪塔等に及ぶ多数の裏込石、盛土で作られている石垣内部を直接見学できる絶好の機会でした。

柵と積まれた岩の写真

解体作業で姿を現した盛土。築石、裏込め石、盛土の関係が良くわかります。築石、裏込め石の下で四百数十年間眠っていた盛土郡を目の前にして、当時の人々はどのようにして盛土を作ったのだろうかと考えました。きっと版築工法を駆使して、現代まで持ちこたえる盛土になったのだと思います。

石垣の内部を直接見学できたこと、それは大感激でした。先人達の苦労に頭が下がります。
ほんとうに昔の人は偉かったですね。石垣の内部を見て、築城図屏風(名古屋市博物館蔵) に2本の石持棒に神輿のように担いで石を運んでいた場面があったことを思い出しました。

見学会に来られた皆さんは、いろんな思いや願いを裏込め石に書いておられました。「皆さんが今日裏込め石に書いた事は、400~500年後、皆さんの10代余り後の子孫しか分かりません。皆さん、ぜひ書いておいてください」と言われた話しのが印象的でした。

シートの上に並べられた岩の写真

裏込めに使われていた転用石材。五輪塔、宝篋印塔、墓石、石仏のあまりの多さにびっくりです。

仏像が彫られた岩の写真

解体石材地蔵も見つかりました。

僕個人の感想としては、四百数十年経過した「盛土」の地盤増幅率は調べなくても良いのだろうか、「盛土」は大丈夫だろうかということ。防災科学技術研究所が使っている地震動予測地図・地盤増幅率のことを思い出しました。