まちかどレポート451

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート451 ハモト プチ ミュージアムがオープンしました

(まちかどレポーター 丸山)

ハモト プチ ミュージアムがオープンしました(平成28年6月20日掲載)

葉本邸は元両替商で明治初期の建物です。写真の通り、道路に面する白壁には虫籠窓(ムシコマド)と両替商を象徴する分銅の型で有名です。そして、市内において当時の町家建築構造を知る事が出来る貴重な遺構でもあります。

街道路沿いの平屋建ての建物の写真

葉本邸は町家の建築特徴であるなだらかなカーブのむくり屋根と煙出しが素晴らしいですね。

建築当時、葉本家は、両替商を営んでおり、後、肥料商を経て、戦後パン、メリヤス等を経て現在に至ります。
屋根には、「むくり」がつけられ、「煙出し」が残り、表には「格子窓」や「ばったり床机」及び、「一文字瓦」、「袖壁」等が見られ、郡山城下町の町家の特徴が一望できます。
表構えの出格子、格子、梁などの木部には弁柄が塗られています。

建物上部の格子窓のような部分の写真

虫籠窓に残る分銅の印は両替商だった江戸時代の証です。

家の入口には、上下する大戸があり、三和土の土間に面した部屋では、3段の棚に江戸時代から、明治、大正、昭和の使用品を展示しており、更に、回転する格子戸を潜り抜けると、両替商の商売をしていたころの帳場や算盤、嫁入り道具の婚礼籠、輸入タイルが張られた竈、および端午の節句人形(4~6月のみ)や、吊り戸棚、暮らしの中にあった古い興味深いものを展示(不定期に順次入替予定)。
「大和な雛まつり」の時は、明治初期のひな人形と一緒に、これらの生活用品の一部を展示し、一般公開するそうです。
オープンから一月余り遅くなりましたが、現地見学に行ってきました。以下、少しご紹介します。

古道具の入ったショーケースの写真

夜光杯、印籠、根付など(左写真)

ひな壇に飾られた食器類の写真

皿、盃、茶碗、煙草盆、鉢、杯洗、重箱など(右写真)

屏風の前に飾られたお節句関連の品の写真

端午の節句、人形達(左写真)

棚に飾られた食器類の写真

輪島塗の漆器各種皿、茶道具(右写真)

垂れ幕のある昔ながらの台所の写真

近衛兵入隊時の旗も保存しておられました(写真左)。

室内の地図や古道具の写真

大連旅行のカバン、JR 路線図(樺太、満州、台湾含む)など(右写真)

室内の道具と男性の写真

郡山の町おこしの情熱が伝わってくるご主人の説明。

  • 開所日:要電話予約。12月26日~1月15日までは休み。
  • 受付時間帯:10 時~15時(見学は16 時まで)
  • 入館料:300 円(但し中学生以下は無料、町内の方は100円)
  • 場所:郵便番号639-1164大和郡山市西観音寺町6番地
  • 電話番号:0743-52-2122

ところで、大和郡山建物探訪部会が、約6年を掛けて取り組んだ町家調査によれば、「箱本十三町」区域の大正までの町家の数が1981年の市の調査と今回の調査を比較すると、「50%が減少・消滅」しているそうです。
現在、空き家となったり、取り壊されたりする町家も増え続けており、その保存や活用が課題になっています。わが町大和郡山市も葉本邸に倣い、町屋の保存・有効活用等に向けて、行政や市民団体等が協力・協同していくことが必要ではないでしょうか?

いずれにしても、「ハモト・プチ・ミュジアム」は一見の価値有りですよ。
皆さん、一度出かけて見てはいかがですか?