まちかどレポート460

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート460 盛大でエネルギッシュな秋祭り(小泉神社)

(2016年10月9日撮影 まちかどレポータ- 安江)

盛大でエネルギッシュな秋祭り(小泉神社)(平成28年10月28日掲載)

小泉神社の境内にある石造りの階段の前で、青い法被を着た子どもたちが赤い提灯がいくつもついた神輿を担いでいる様子の写真

小泉神社秋祭りと書かれた青いのぼりがいくつもかかる柵がある坂道で、青い法被を着た2人の女の子が座り込んでいる様子を後ろから撮った写真

地域の人たちの連帯力と、予想以上のエネルギッシュで威勢のよいダンジリの練り回しが織りなす砂が、空中に舞う様に見とれていると…歴史講師としてお世話になっている長田先生にお会いしました。これ幸い、と歴史に造詣深い先生から話のみならず、文章までいただきました。(深謝!)

「小泉神社の秋祭りは殊の他、盛大である。石段を登ってくぐる門は、小泉の城門を移したもので、透彫り形式の簡素ながら格式の高い門である。神殿は丹土(にど)塗の一間社春日造檜皮葺。低い勾欄(こうらん)を巡らし、斗栱(ときょう)や蠆股(かえるまた)の手法に室町末の特色が見え、重要文化財である。

濃い茶色の木材で造られた立派な門の奥で、鮮やかな紅色の神輿を青い法被を着た大人数の大人の人が担いでいる様子の写真

秋祭りは10月の10日前後の休日に催行される。
朝の9時半、当屋衆達が「お渡り」を行う。数百の餅を辛櫃(からびつ)に入れて担い、「ウウウワハイー」と連呼しながら、神社に向かい、神前に供える。産土神(うぶすながみ)が、お笑いになるお顔を拝し奉るという意味だそうである。

続いて、巫女のお渡りのお供をして、西方・本町・北町・河原・市場の5地区の蒲団ダンジリ(太鼓台)が上がって来る。
それらに従う形で小さな神輿(みこし)・太鼓台・提灯台など10数台も揃い、広い境内が一杯になる。法被姿(はっぴすがた)の大人や子ども達と、打ち鳴らす太鼓の音で大賑わい。

正午から、宮司を始め当屋衆や来賓らが拝殿に居並び、祭典となる。
献饌・祝詞奏上に続き、この神社独特の大御幣が奉供される。
巫女による舞、玉串奉奠(ほうてん)と続く。

紅色の大きな神輿を、青い法被を着た人たちが担ぎ上げ、境内を練り歩く様子の写真

午後1時、拍子木を合図にダンジリの奉納が始まる。各地区の大きなダンジリが一斉に「ワッショイ、ワッショイ…」と威勢のよい掛声で境内を練り回る。広い境内が突然にふくれ上がる。実に圧巻そのものである。

背中に「祭」と書かれた青い法被をきた大人数の人たちが、紅色の大きな神輿を中腰でおろしている様子の写真
左側に赤い法被をきた女性と、右側に青い法被を着た女性が神輿の上に立ち、アップで映る様子の写真

十分に境内を練り回ったダンジリは、順次門を出て各地区への巡行へと移って行く。
大和郡山市内の神社では、それぞれの祭礼の形を持って催行しているが、小泉神社の秋祭の盛大さ、大人も子どもも男も女も、皆して盛り上げる活気には圧倒される。

青い法被を着た大人や子供が、赤い提灯が幾つもついた縦長の神輿を必死の表情で支えながら担ぐ様子の写真
瓦葺きの立派な門をバックに、青い法被を着た大人数の人たちが、後ろに体重をかけながら、少しずつ神輿を担いで石段を降りていく様子の写真
石造りの鳥居の下を紅色の神輿が青い法被を着た大人数の人々に支えられながら進んでいく様子の写真
赤い提灯が幾つも付いた縦長のみこしを地面において談笑する子どもたちの写真

毎年のことながら、体一杯に幸せをいただいた気分になれるのがありがたい。」

(上記文提供:大和郡山市文化財審議会:会長 長田 光男先生)

小泉神社の拝殿を斜め横から撮った写真