まちかどレポート350

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート350 第29回 架け橋美術展

 (撮影2013年12月5日 まちかどレポ-タ-安江)

第29回 架け橋美術展(平成25年12月19日掲載)

架け橋美術展(12月5日~7日・やまと郡山城ホール)に行ってきました。

美術展に並ぶ絵を人々が見ている写真

この架け橋美術展は「過去にハンセン病を患った人たちの人間回復を目指す」きっかけとなることを目的に、また一般社会との交流の窓口、心の架け橋となることを願って開催されてきたものです。

書、絵画、写真、陶芸、手芸など160点ほどの作品が展示され、多くの人たちが熱心に見る姿が見られました。

一枚の紙に筆で文字が書かれた写真
フレームに入った写真が上に3枚下に2枚並んだ写真
テーブルの上に編み物の作品など、手作りの作品が並べられている写真

スゴイ作品ですね!というと、「これは県展で入賞した書です。療養所で毎年展示していますが、より多くの人々に見てもらうのが励みになり、大変うれしいです。」と、偶然ご本人が近くにおられました。

今年の4月に邑久光明園を訪れたこともあいまって、先日(2013年10月)放映されたドキュメンタリー映画「僕は忘れない」も見入ってしまいました。

…多くの人たちが大島青松園(療養所)を訪れています。島で大島青松園をガイドしていた小学校卒業生の若者が、久しぶりに療養所を訪問して入所者たちと面会交流し、改めて何をどのように伝えていくかを悩みながら、そして伝えていくことの重要さを学びながらガイドに取り組んでいく姿に胸が熱くなりました(このDVDは貸出しされているようです。お問合せは、「架け橋 長島・奈良を結ぶ会」電話0743-92-0919事務局まで)。

テーブルの上に並んだ書籍が入っている段ボール箱の中央に青い本が立てかけられている写真

療養所で生きざるを得なかった人たちが、また強制隔離の厳しい生活を生きぬいてこられた精神を昇華して創作された作品です。無言の多くの言葉がどの作品からも感じられ、味わうことができました。

五枚の細長い川柳が書かれた色紙の写真
小判をのせた白い馬と小槌を抱えた馬が赤い紙に縦にならんだ写真

…「生まれた日が人間として社会に認められた日とするなら、もうひとつの日は、人間として社会的に認められなくなった日と言えるのかも知れない。らい者は深い悲しみと怒りと恨みの心をもって、その日をみつめている。それは故郷から、らい療養所へと隔離された日である。」(『「隔離」故郷を追われたハンセン病者たち』徳永 進著より抜粋)

最近図書館で借りた本の一節です。強烈なインパクトをもって心に突き刺さり、人権の大切さを改めて感じさせられました。