まちかどレポート293

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート293 こおりやま音楽祭「樂」レポート

(まちかどレポーター 安江)

こおりやま音楽祭「樂」レポート(平成24年11月27日掲載)

出演者公募でミュージシャン集合! (樂・その1)

野外ステージで歌っている2人の女性の写真

 毎年、街中にマーチングを始め、いろんなジャンルの音楽が流れ、町がにぎわう「こおりやま音楽祭2012 “樂”」、今年で4回目です。昨年も、盛りだくさんの「音楽祭」でしたが、さらに今年は2日間に延長されました。

三の丸会館前広場のステージでは、全国から出演者を公募され、横浜、栃木、姫路等の遠くからも公募があったようです。若い、個性的なミュージシャンが、より多くの人に自分の歌を聴いてもらいたい、との想いで、郡山の街にやってきました。

ウ~ン、上手い!
舞台やライブハウスもいいですが、通りすがりに足を止める、いつもは静かな公園にひとが集まって、懐かしい歌を一緒に口ずさむ。ジャズやバラード、フォーク、シングソングライターが語りかける。
街に音楽がとけ込んでいくようです。

公募だけあって、みなさん、全国レベルです。おもわず、音楽の世界に引きずり込まれてしまいました。
メロディの楽しみ、音という「彩り」、ひとに笑顔が広がっていきます。
年に1回といわず、たびたび来てほしいな~、と思いました。

三の丸ステージを、少しですが見てください。

ギターの弾き語りをしている男性の写真

”いでちゃん” いい声なんです!フォークソングの弾き語りがステキです

キーボードを弾きながら歌っている男性の写真

”氷置 晋さん” シングソングライター。青春の切ない思いがジ~ンと伝わってきました

バンドをバックに歌っている2人の女性の写真

”Super Works” 名の通り、みんなスーパー関連の仕事です、と教えてくれました

マイクの前で歌っている女性の写真

自然体で楽しいライブバンドです。低音が魅力的です

ギターとドラムの前で歌っている女性2人の写真

華やかで、ファショナブル。パワフル&セクシー、味のあるグループでした

背中にこおりやま音楽祭楽と書いてあるジャケットを着た男性の写真
こおりやま音楽祭楽GAKUと書いてある横断幕の貼られたテントの露店の写真

ジャケットのごとく、ステキな鮮やかな色が集まって楽しめる「音楽祭」でした

旧川本邸の、すばらしい活用 (樂・その2)

雨の降っている古民家の外観の写真

大正期建築の遊郭跡「旧川本邸(洞泉寺町・写真)」は、今や多くの人たちが訪れる地となった。ここは昔、花街として賑わった地区。木造三階建ての内部には、細い格子や優美な建具、さらには帳場や張り店、たくさん並ぶ小部屋など、遊郭当時の間取りがほぼ完全な形で残されているという。

7人の女性が琴や三味線を演奏している様子の写真
江戸伝統芸かっぽれと書かれたのぼりの横で踊っている3人の女性

歴史遺産や木造建築の魅力はあるとしても、少し前まではマイナス遺産、女工哀史のイメージが強くて、私にとっては敷居の高い場所でもあった。
しかし最近、旧川本邸をたびたび訪れるようになった。それも、ワクワクとした期待感と愛着さえ抱きながら。

畳の上に座布団をしいて演奏を見ている人々の写真

大勢の人たちが見に来てくれていました

床に置かれた和傘の横で踊っている女性の写真
浴衣を着て踊っている7人の女性の写真

古典舞踊も…

何故か?前回訪れたのは、まちかどレポートNo276で書いた「大金魚博覧会」の開催時。イベントのテーマであった金魚。そしてテーマの“金魚”を、遊郭の女性のイメージとだぶらせて、“はかなく”かつ“大胆”に描いたキャンパスの数々。
このモチーフは、旧川本邸や洞泉寺界隈の歴史的建造物が並ぶ町並の中で取り組まれなければ、これほどの深い感動を受けなかったのではないかと思っている。
そして今回、旧川本邸は、「こおりやま音楽祭2012『樂』」の芸能披露の場所となった。遊女たちが行き来した廊下や座敷、眺めていたであろう中庭。平成時代に生きる私たちが、その同じ空間で芸能文化を伝承し、享受する。これが遊郭で生きた女性たちへの供養になるかもしれない、と願いながら歴史の縦軸に思いを馳せた。

笠をかぶり扇を両手に持って踊っている3人の女性の写真

民謡を披露

三味線と琴と尺八の演奏の写真

なかなか見れない粋な場面

中庭越しにかっぽれを踊っている人を撮った写真

中庭越しに鑑賞

「楽」で日本芸能文化を堪能させてくれた旧川本邸、次回の装いが楽しみです。
そして、城下町・郡山の歴史ある建物を保存活用する取り組みに、心からエールを送ります。