まちかどレポート131

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート131 新年を迎えて

(まちかどレポート 丸山)

新年を迎えて(平成23年1月5日掲載)

今年は、年末寒波の襲来で強く寒い風の中、みぞれと雪が入り混じって降り、厳しい冬となりました。
年頭に当たり、大好きな万葉集より大伴家持の歌を紹介することといたします。

三年春正月一日於因幡國廳賜饗國郡司等之宴歌一首(巻20-4516)
新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰 (原文)
新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事 (読下文)

当時、国守は元旦に部下や郡司の拝賀を受けるしきたりがあり、因幡国の国庁の宴の席での、返礼として大伴家持が詠んだのがこの歌なのです。
ちなみに、「新しき」は「あたらしき」ではなく「あらたしき」と詠んでください。
この時、家持は42歳。以降、68歳で亡くなるまでの25年間、家持は一首も歌を残しませんでした。そして、この歌は万葉集全20巻4516首の最後の歌となりました。

天平宝字三年元旦の家持のこの歌のように、今年は「良い事が積もれ、積もれ」と願っています。
本年も、「まちかどレポート」をどうぞよろしくお願いします。

雪の乗ったサザンカの花の写真

ピンク色のサザンカの花は、純白の積雪に映えて美しい。

雪の積もった庭の写真

真っ白いパウダースノーとなった飛び石も美しい風景ですね。

雪の積もったたぬきの銅像の写真

万両の赤い実と雪とのコントラストは美しいですが、深深と降る雪で、あまりの寒さにふるえている狸さんは可哀想ですね。