がん検診の利益(メリット)と不利益(デメリット)について

更新日:2025年04月01日

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すべてのがん検診には利益(メリット)と不利益(デメリット)があります。がん検診のメリットとデメリットを正しく理解し、正しい知識を持ってがん検診を受けましょう。

がん検診の利益(メリット)

1.早期発見・早期治療により命を守る

最大のメリットは、がんを早期に見つけることで命を守ることです。

2.がんの治療が容易

症状のない人が受ける検診では、がんが「早期の段階」で見つかりやすく、体への負担が少ない治療ですみます。一方、症状が出てから発見されるがんは、比較的進行した段階のことが多く、治療が難しかったり体に大きな負担がかかったりする場合があります。

3.「異常なし」が確かめられて安心

本当にがんがない人が検診で「異常なし」と診断されることで、安心して生活できることも利益と言えます。

がん検診の不利益(デメリット)

がん検診を受けた人はどなたでも、不利益を受ける可能性があります。

 

1.がんが100%見つかるわけではない(偽陰性)

がんが小さすぎたり、見つけにくい場所や、見つけにくい形をしていたりする場合は、検査を受けてもがんを見逃してしまうこともあります。この見逃しのことを、「偽陰性」といいます。がん検診は1回だけでなく、適切な間隔で定期的に受け続けることが大事です。

2.結果的に不必要な治療や検査を招く(過剰診断・偽陽性)

「偽陽性」とは、実際にはがんがないのにがんの疑いあり(精密検査が必要)と判定されることです。それにより本来受ける必要のない精密検査で心身に負担がかかります。また、問題がないことが判明するまで不安な日々を過ごすことになります。

命に別状のないがん(成長スピードが極めて遅いなどの理由により、治療をしなくても命を脅かさないがん)が検診で発見されることを「過剰診断」と言います。発見したがんが本当に治療しなくてもよいかを正確に識別することは難しいため、本当は「過剰診断」であったとしても治療が行われます。その結果、本来不要な治療により、身体的、心理的、経済的負担がかかります

3.偶発症を招く可能性がある

検診や精密検査での医療行為による合併症を招く可能性があります。例として、内視鏡による出血や穿孔、バリウムの誤嚥や腸閉塞、放射線被爆などがあります。また、出血や穿孔により、極めてまれですが、死亡に至ることがあります。

がん検診は適切な年齢、適切な受診間隔で受けましょう。

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このように、がん検診にはメリットだけではなく、デメリットもあります。それでも、がんから命を守るためには、がん検診を受けることが大変重要です。

メリットとデメリットのバランスを科学的根拠に基づいて吟味し、国が推奨しているのは、大腸がん・胃がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5つのがん検診です。

また、国はがん検診を受けるのに適切な対象年齢と受診間隔を示しています。対象年齢より若い年代ではがんにかかる人が少なく、有効性も確認されていないため、がん検診のメリットよりデメリットのほうが大きくなります。

がん検診は定期的に受けることが大切ですが、必要以上に間隔を詰めて多く受診しても、メリットはあまり増えず、回数の増加とともにデメリットはどんどん大きくなります。メリットがデメリットを上回るように、適切に受診しましょう。

 

がん検診の利益(メリット)と不利益(デメリット)についての詳しい情報は、下記のページをご覧ください。

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