まちかどレポート499

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート499 再発見ウォーク「自然豊かな矢田丘陵から県立民俗公園」

(まちかどレポーター佐藤)

再発見ウォーク「自然豊かな矢田丘陵から県立民俗公園」(平成29年11月29日掲載)

11月17日の再発見ウォークは、秋晴れの矢田丘陵から矢田の民俗公園を歩きました。

【当日のコース】
横山口バス停留所~矢田寺~東明寺~矢田坐久志玉比古神社~大和民俗公園

森の奥深くに、しめ縄が張られている写真

常陸の国の昔話にこんな話があります。
ある人が苦労して、山の麓に田を開いたんです。ところが秋になったら山から夜刀(やと)の神が降りてきて、せっかく実った稲田を荒らしてしまった。夜刀の神というのは頭に角がある蛇のことです。
そこでこの人は、山の端に柵を設けて、ここから下には来ないで欲しいと神に祈ったんです。
そのかわりに私は山を大切にして荒らさないと。
すると、次の年から夜刀の神は来なくなった。
そこで、この人は柵の所に小さな祠を建てて、その年の収穫の一部を奉げるようになったんです。

写真は、この日歩いた東明寺の下の、山の中に注連縄(しめなわ)が張ってあるところで、この昔話を思い出しました。おそらくここも神と人との境界で、昔の人は山の神を畏れ、大切にして暮らしてきたんでしょう。
(写真は今年の2月に撮ったもので、しめなわは毎年1月に張り直されます)

歩道をグループホームの人達が散歩している様子の写真
青空の下枝を広げる柿の木の写真

矢田寺参詣の登り道で、近くのグループホームの人達と出会いました。あじさいの季節には賑わう道は、普段は地元の人の散歩道です。

紅葉の下で、お地蔵様を眺める人たちの写真

矢田寺本尊の地蔵菩薩は、春日の神々が造られたという伝説があります。ここは仕事を終えた神様たちが、盆地の向こうの春日の森に帰られるために飛び立たれた所で、手前の後ろ姿のお地蔵さまは、それを見送っているのです。

二人のお地蔵様に向かって、手を合わせて拝んでいる人の写真
味噌なめ地蔵とかかれた立て看板と一人のお地蔵さまがたたずんでいる写真

この人が祈っているのは、矢田寺境内の「味噌なめ地蔵」。このお地蔵さまに手を合わせると、美味しいお味噌汁が作れるようになるんです。その真剣な姿に思わずカメラを向けたのですが、残念ながら肝心のお地蔵様は写っていなくて。
そうですね、これはまあ、作れるようになるとしても、何とか食べられるお味噌汁ぐらいでしょうか。
(右は今年の6月に写した味噌なめ地蔵です)

東明寺に向かう山道を歩くウォーキングの参加者たち写真
東明寺に向かう山道を下るウォーキング参加者たちの写真

矢田寺から東明寺へ。そんなに遠くはないけど、この日一番の難所です。

紅葉に囲まれる東明寺鳥居の写真
紅葉の下、石灯籠や赤色ののぼりが並んでいる小道の写真

東明寺の紅葉に出逢えた秋は、何か小さな拾い物をしたような気になるんです。どうですか今年は。来年も再来年もまた、東明寺の秋に出逢いましょうか。

矢田坐久志玉比古神社に向かう山道をのぼるウォーキング参加者たちの写真

矢田坐久志玉比古神社。矢田郷5カ村の総鎮守。遠い昔から矢田山の麓に暮らす人々が、大切に守ってきた神社です。

矢田小のグラウンドと小学生たちの写真
民族公園の並木道を歩く参加者たちの写真

ウォーキング途中で出会った矢田小のこどもたちと、民俗公園。

民俗公園内にある「伝習農場跡」の石碑を臨む参加者たちの写真

最後の石碑、民俗公園の「伝習農場跡」の碑。ここには戦後、農業の指導者を育てるための学校があって、昭和24年から46年までに413名の人たちが巣立ったそうです。