まちかどレポート379

更新日:2021年03月19日

ページID 7331
まちかどレポート

まちかどレポート379 古民家活用イベントが行われました

(まちかどレポーター 後藤)

古民家活用イベントが行われました(平成26年9月26日掲載)

9月21日日曜日、少し汗ばむ陽気の中、大和郡山市矢田町の大和民俗公園にて古民家活用イベントが行われました。
この民俗公園には江戸時代の古民家が移築復元され、近年その古民家の特質を活かして様々なイベントが開催されています。
今回は奈良民俗文化研究所による第3回「日本の民俗をきく」が開催されましたので、さっそく取材に出掛けました。

道の入口に設置された案内板の写真

日本の民俗学の古典を朗読と音で聴くという、今までありそうでなかった取り組みが開催されていました。
今回は日本民俗学の父と呼ばれる柳田国男の著作『遠野物語』他の朗読と解説でした。
柳田国男は8人兄弟の6男として生まれ、自らの生家を「日本一小さな家」と称しましたが、開催の民家は少し大きめの庄屋クラスの民家です。

会場となる古い家屋の写真

朗読は民俗研究家の鹿谷勲さんです。

家屋の中で行われる朗読の様子の写真
建物内に集まる人々の写真

柳田国男は幼い頃から感性豊かな少年だったそうで、小さな家に生まれ育ったという運命が自身が民俗学への志しを持つに至ったと述べています。
聴衆のみなさまは、朗読者の話に聞き入り、官吏の道を歩みながらも明治~大正、昭和の時代を生きた自由奔放な彼の生き様に憧憬の念を抱かれているかのように見受けられました。
もしかしたら、私たちの身近なところにも柳田のような人物が存在するのではないでしょうか…。

建物内で行われる展示の写真

民俗学は庶民のくらしを丹念に書き留めようと今から約100年ほど前に始まったそうです。
身近にあるがゆえ私たちは普段あまり意識することはありませんが、「いつもそこに当然あるもの」に注視すると大和郡山の中にもまだまだたくさん「民俗」が眠っているように感じます。

いま注目を集める郡山城のように、こうした小さな地道な取り組みが郡山の「民俗」分野においても新たな発見につながれば良いなと思いました。