まちかどレポート46

更新日:2021年03月19日

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まちかどレポート

まちかどレポート046 久護門の近くの花暦って?

(まちかどレポーター 丸山)

久護門の近くの花暦って?(平成22年6月29日掲載)

木の脇に設置された久護門の石碑の写真

郡山城の大手門をくくると緩やかな坂があり、上り切った左手が毘沙門郭跡です。ここに冠木門があり、古地図を見ると本田氏在城当時までは「法印郭中仕切門」と呼ばれ、柳澤氏入城後は「久護門」と改名されています。現在、この「久護門」跡にこの石碑があり、この石碑の真西に小さな池がありそこに美しい睡蓮の花が咲き、その辺に「合歓の木」があります。

合歓の木と言えば、皆さん、何を思い出しますか?
僕は、まず最初に、松尾芭蕉の「象潟(きさかた)や 雨に西施が ねぶの花」の句を思い出します。芭蕉は奥に細道の旅の元禄二年(1689年)の6月、象潟(新潟県)にて雨にぬれる「合歓の花」を見た、そして、その花に中国古代の絶世の美女と言われた西施の憂いに沈むおもかげを重ね合わせてこの句を詠んだと伝えられています。
二番目には、万葉集(巻8-1461番)の紀(きの)女郎(いらつめ)の歌を思い出します。それはこんな歌です。
「昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓の花 君のみ見めや 戯(わ)奴(け)さへに見よ」
大伴家持と10年近く歌を交わし合った紀女郎の歌であり、戯(わ)奴(け)とは親しみをこめて相手を呼ぶ語で「お前さん♪」ぐらいの感じです。機知に富んだプロポーズの歌なのです。

雨の早朝、美しい睡蓮の花と合歓の木の花を見つけました。雨の中なので上手く撮れませんでしたが、メジャーなところではありませんが、落ち着いた良い所なので紹介します

池の周りを緑が覆っている写真
2輪の白い睡蓮の花の写真
合歓木の花がたくさん咲いている写真
合歓木の花をアップで撮った写真