雑穀町

主に穀物類を扱う商人がいた町。
豊臣秀長は城下町繁栄のため同業者による町づくりを行っている。この雑穀町もそれに属し「箱本十三町」の一つとして天正19年（1591）８月には地子免除となり、秀長の跡を継いだ秀保も同じように保護政策を執った。
元禄の大火の時は、この町では居宅35軒が類焼し、安永３年（1774）12月８日の火事は、この町の民家が火元で、茶町・野垣内町あたりまで焼いている。
天明の凶作で飢餓人が続出し、この町では７人の者が天明４年（1784）２月14日、藩からの一人３升ずつの米の支給で飢えをしのいだ。天明６年の調べでは、この町は長さ86間・道幅２間、本家40軒・借家19軒であった。
嘉永の大地震で、この町の会所１棟と居宅２軒が倒壊し、４人が死亡している。
この町は「鍛冶町大門付町割」によって本町・茶町・藺町・塩町・魚町・奈良町・鍛冶町・西奈良口町の住民と交替で鍛冶町大門の勤番が義務づけられていた。
明治21年４月の「町村制」によって、今井町など45ヶ町村が合併して、新しく郡山町として明治22年４月１日に発足するまでは、明治９年12月25日から「大和国第２大区２小区」に属し、明治17年７月１日からは「添下郡第３戸長役場」に属していた。